産業分野向けHMAXユースケースとしては、AIを活用した安全ガイダンスにより、定期検査などファシリティO&M(設備の運用保守)の作業効率を倍増させるNVIDIAとの協業事例や、設備故障診断にAIエージェントを組み合わせて診断時間10秒以内、精度90%超を実現したダイキン工業との協業事例がある。ハイブリッド産業の事例に挙げているバイオ医薬や高機能材料でも有力なユースケースが生まれている。
そして3つ目の施策が、統合的でシナジー効果のあるコア事業を強化するための事業ポートフォリオ改革の推進である。コッホ氏は「CIセクターで最も注力しなければならないと考えているのが事業ポートフォリオ改革だ。そのために買収と売却を進める。投資についてはOTもしくはOTに近い分野にフォーカスする」と強調する。実際に、先述のハイブリッド産業向けでは、ディスクリート系のPLC、プロセス系のMES(製造実行システム)やDCS(分散制御システム)などは強化が必要としており、今後M&Aが行われる可能性は高い。また、CIセクターが多くのプロダクトを手掛けていることや、OTにフォーカスするというコッホ氏の方針を考えると、売却の候補になるのは産業用HMAXでシナジー効果を出しにくいプロダクトになるとみられる。
また、モビリティセクターやエナジーセクターにもCIセクターのプロダクトやソリューションを展開し、大きな意味でのOne Hitachiにも貢献していく考えだ。
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