平均在庫回転日数を11%削減、ライオンがDX活用でSCM基盤を高度化製造IT導入事例

ライオンは、販売から物流までを一貫管理するサプライチェーンマネジメント基盤を構築し、2025年から本格稼働を開始した。需要と供給の変動を先取りする先行対応型への転換により、平均在庫回転日数の削減などを達成した。

» 2026年02月18日 10時00分 公開
[MONOist]

 ライオンは2026年2月5日、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用して販売から物流までをシームレスに連携させるサプライチェーンマネジメント(SCM)の抜本的な改革に取り組み、2025年から本格稼働を開始したと発表した。需要、供給の変動に即応する「先行対応型SCM」への転換により、同年度は平均在庫回転日数を11%削減し、物流効率を9%向上させるなどの成果を上げている。

キャプション SCM高度化戦略の概要[クリックで拡大] 出所:ライオン

 新構築したSCM基盤は、オペレーションレベルから最長3年先の戦略レベルまでを一貫管理する仕組みだ。具体的には、サービス、コスト、キャッシュ、リスクの4視点でKPI(重要業績評価指標)を再設計し、日次モニタリングを行うSCMコントロールタワーを構築。これにより、基準に基づくアラート検知や要因把握の精度を高め、部門を横断しての迅速な意思決定を可能にしている。

 需要予測においては、社内の実績、計画データに加え、製品特性に応じた外部データも組み込んだ需要予測モデルを構築した。さらに、サプライチェーンプランニングツールの導入により、複数のシナリオを想定した「What-if分析」を実施。需要や供給が変化した際の計画適正化スピードを向上させている。

 物流面では、短期から中長期の需要計画と物流計画を連動させることで、リソースの最適配分と機動的な見直しを実施。これらの施策により、2025年度はVision2030 1st STAGE(2022〜2024)の平均と比較して、品切れ件数を50%削減することに成功した。

 背景には、原材料価格の高騰や物流費の上昇、地政学リスクの顕在化など、サプライチェーンを取り巻く環境の複雑化がある。同社は、部門ごとに個別最適化されがちだった従来型から脱却し、全社横断で統合管理する体制を確立することで、安定供給と収益性の強化を目指す。2027年度までに在庫回転日数を23%削減、物流効率を15%向上させる目標を掲げている。

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