さて、せっかく色付きのイルカができたので、3Dプリンタで出力してみたいと思います。標準的なSTLでは、色の情報をサポートしていないので、別のファイルフォーマットでエクスポートする必要があります。どのようなフォーマットなら受け付けてもらえるのかは、3D出力サービスのWebサイトにも表記されています。
ここでは、カラーデータが添付できるOBJ形式でエクスポートしてみます。
OBJ形式でファイルをエクスポートすると、拡張子がobjかmtlのファイルが作成されます。これに先ほどの色情報のある画像ファイルをひとまとめにして、3D出力サービスに依頼してみます。
ということで、こんな感じにちゃんと色付きのモデルになってくれました。
ちょこちょこっとやった割には、それなりにきれいにできたのではないでしょうか!
冒頭でも書きましたが、普段仕事で3D CADのみで作業していて、パーツなどの3Dプリントをしているという人は、この手の流れってなじみがないんじゃないかと思いますが、やってみると案外楽しいかもしれませんよ。
最後に、「3D CADのデータを色付きで3D出力できないこともない」という話です。この「Inventor」で作った3Dモデルは、Zゲージサイズのジオラマ模型の簡単なサンプルデータです。今回はこちらを使って説明します。
3Dモデルを作った後に、フィーチャー単位あるいは面単位で色と定義しています。
これを普通にSTLで出力しては色の情報が載りません。でも、CADによっては「色付きSTL」で出力することが可能です。
例えば、Inventorでは、オプション画面の下の方に何げなくある「色をエクスポート」にチェックを付けてエクスポートすると、色情報も合わせてSTLにエクスポートしてくれます。
これはSTLの一部の領域を転用して色を定義しているようですね。
あくまでも、「色情報をエクスポートできること」と、「3D出力サービスでそれを受け付けてくれる」という条件付きではありますが、それが可能だということです。
そして、こんな風に、ちゃんと細かいところまで色が付いて出てきます。
インクジェット方式などと比べると詳細度は甘いですが、屋根瓦なども思ったよりも細かい形状が出ているので、これに色を付けると楽しいですよね。
ということで、今回は色付きデータの3D出力にまつわるお話でした。
次回、皆さんとお会いするのは年越し後になります。まだ師走前ですが、皆さまよいお年を! ではでは!
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