塗装工程の作業コストを最大30%削減するシミュレーションツールを開発:CAEニュース
ABBとEngineering Software Steyrは戦略的提携を締結した。両社が共同開発するシミュレーションツールにより、自動車の開発期間が最大1カ月短縮し、塗装工程の作業コストを最大30%削減できる。
ABBは2024年12月9日(現地時間)、Engineering Software Steyr(ESS)と戦略的提携を締結したと発表した。
一般的な自動車塗装には20以上の工程があり、新モデルの量産開始前には費用と時間をかけながら、各工程をテストし最適化する必要がある。ABBは、精密塗装工程シミュレーションソフトウェアの大手プロバイダーであるESSとの提携により、粉じんや飛沫の挙動、熱伝導、流体の動きをシミュレーションするアルゴリズムを開発する。
同アルゴリズムを基に、両社が共同開発するシミュレーションツールによって、塗装工程の作業コストを最大30%削減できる。また、試作の必要性がなくなるため、自動車の開発期間が最大1カ月短縮する。CO2排出量も削減可能で、年間30万台の車両を製造するメーカーは、年間約1万7000t(トン)を削減できる見込みだ。
塗装工程の作業コストを削減するシミュレーションツールを開発[クリックで拡大] 出所:ABB
顧客企業は、ABBが提供する自動車塗装工程の専門的な知見や、ビジョン制御塗装ヘッド「PixelPaint」、塗料や材料の使用量を削減する高塗着塗装機「RB1000i-S」など、同社の自動化ソリューションがもたらすメリットを活用できる。
さらにABBは、ESSの技術をロボットアプリケーション用オフラインプログラミングおよびシミュレーションツールの「RobotStudio」に統合する。同ツールは、デスクトップ、クラウド、AR(拡張現実)プラットフォームで利用できる。
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