「空飛ぶ自転車」が本当に空を飛んだ!――ダッソーの3次元ソフトで製作ET? それとも魔女の宅急便?

チェコのデザイナーが1年半かけて製作した「Flying Bike(空飛ぶ自転車)」が飛行に成功した。同自転車は仏ダッソー・システムズの3次元プラットフォームを活用して製作されたものだという。

» 2013年06月28日 18時00分 公開
[三島一孝,MONOist]

 チェコのデザイナーが製作した「Flying Bike(空飛ぶ自転車)」が2013年6月12日、チェコのプラハで飛行実験に成功した。同自転車は、仏ダッソー・システムズ(以下、ダッソー)の最新の3次元(3D)ソフトウェア技術を活用して制作したもの。

 今回のプロジェクトはダッソーのパートナーであるチェコのTechnodatのTechnodat、チェコの自転車メーカーDuratec、チェコの設計企業Evektorの3社によるプロジェクトチームで行われた。プロジェクトリーダーを務めたのは、Technodatのアレス・コビリク(Ales Kobylik)氏をリーダーである。

実験で宙を舞う「空飛ぶ自転車」 実験で宙を舞う「空飛ぶ自転車」

 「空飛ぶ自転車」は、自転車の前後左右に4つのプロペラ部が設置されており、そのプロペラがモーターによって回転することで飛翔する。6つの回転翼を持つ「マルチコプター」の原理が採用されており、前後のプロペラ部には、プロペラとモーターが2個ずつ搭載されている。大きさは長さ約3.8m、幅2.5m、高さ1.2mで、重さは95kg。飛行時間は約5分で、最高速度は50km/時まで出せるという。

 同自転車の開発は1年半前に開始。同プロジェクトでは、ダッソーの「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」(ダッソーが提唱する3次元データを基軸としたプラットフォーム。共通基盤化することで部署間などのコミュニケ―ションを容易にする)を活用。これにより、プロジェクト参加者は場所の制約を受けることなく、さまざまな場所からプロジェクトに参加することができた。また仮想空間上で自転車の設計、製造、シミュレーションを行うことにより、自由に試行錯誤ができたとしている。

飛翔前の「空飛ぶ自転車」(左)と開発中のデジタルモックアップ(右)
飛行実験に成功した「空飛ぶ自転車」の動画。3分8秒の動画の中で、空飛ぶ自転車が飛行を始めるのは41秒ごろから。2分8秒〜2分26秒で、「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」による設計画面などが見られる。
「空飛ぶ自転車」の主な仕様 「空飛ぶ自転車」の主な仕様(クリックで拡大)
「PLMニュース」バックナンバー

世界同時開発を推進するには?:「グローバル設計・開発コーナー」

世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。



関連キーワード

自転車 | ダッソー・システムズ | 3D


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.