3Dプリンタの普及状況に関係なく、3Dデータが当たり前の存在になってきていると感じる今日このごろです。
切削加工では、以前からプロトラブズが3Dデータをアップロードする自動見積もりのサービスを提供してきましたが、そのようなモデルを意識したサービスを提供する企業が徐々に登場してきています。工業デザインモデル製作や金型設計・製造を担うアーク(ARRK)はオンライン見積もりサービスをスタートし、プロトラブズと同等のスピードで対応してくれます。
私も仕事柄、この手のサービスに部品加工を実際に依頼することも珍しくありませんが、3Dモデルがあればよく、2次元の図面は必要ありませんでした(もちろん、細かい指示を必要としないものであったのは確かなんですが……)。
従来のサービスにおいても、切削加工や金型製作などは、加工指示や検査寸法の入った2次元図面を併せて出す必要はありますが、メインのデータはパラソリッドやSTEPなどの3Dデータであることが多いです。
この間、とある切削加工のサービスを提供している企業の方から、「3Dデータの情報だけで、だいぶ仕事ができるようになってきました。しかし、加工指示については、2D図面の形でお客さんからやってきます。3D注記ってもっと普及しないんでしょうか?」という質問がありました。
確かに、PMI(3次元寸法・注記)は、かなり以前から存在しているわりに、普及していないような……。でも、設計にしても部品加工にしても、相変わらず、図面ベースでの仕事が中心だと、このあたりはなかなか普及しないかもとも思いました。
しかし今後、3Dだけで設計と加工の現場がやりとりすることがもっと増えてくれば、もっと製造に向けた情報が3Dデータの中で分かりやすく扱えるようになってくるのでは? とも期待しています。
ということで、今回の、3Dデータ動向“私的まとめ”は、このくらいにさせていただきます。ではでは。
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