NVIDIAは、同社のデジタルツインプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を拡張し、フィジカルAI向けの生成AIモデルとブループリントを発表した。新しい生成AIモデル「NVIDIA Edify SimReady」や4つのブループリントを公開した。
NVIDIAは2025年1月6日(現地時間)、同社のデジタルツインプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を拡張し、フィジカルAI(人工知能)向けの生成AIモデルとブループリントを発表した。
フィジカルAIシミュレーション用の3D世界の作成には、世界構築や物理属性による世界のラベル付け、フォトリアル化という3つのステップが必要となる。新しい生成AIモデル「NVIDIA Edify SimReady」は、物理やマテリアルなどの属性を既存の3Dアセットに自動的にラベル付けできるため、処理時間の短縮が図れる。
新しい世界基盤モデル「NVIDIA Cosmos」とNVIDIA Omniverseを組み合わせることで、合成データ乗算エンジンを作成し、開発者が制御可能なフォトリアルな合成データを大量かつ簡単に生成できる。NVIDIA Omniverseで3Dシナリオを作成して画像や動画を出力としてレンダリング後、これらをテキストプロンプトとともに使ってCosmosモデルを調整すれば、フィジカルAIトレーニング用の無数の合成仮想環境を生成可能になる。
また、フィジカルAI用のUniversal Scene Description(OpenUSD)ベースのデジタルツインを容易に構築する4つのブループリントを公開。Omniverse Sensor RTX APIを搭載した「Mega」と「Autonomous Vehicle(AV) Simulation」、Apple Vision Proに没入型ストリーミングするためのアプリケーション作成をサポートする「Omniverse Spatial Streaming to Apple Vision Pro」、物理シミュレーション向けのリファレンスワークフロー「Real-Time Digital Twins for Computer Aided Engineering(CAE)」も併せて発表した。
NVIDIA Omniverseを使用し、複数の企業が産業用AIを強化する製品やサービスを設計している。Cadenceは、電子コンピュータ支援設計アプリケーション「Allegro」への統合を発表。その他、AltairやAccenture、Ansys、Microsoft、SiemensもNVIDIA Omniverseライブラリを採用したという。
同社は、NVIDIA OmniverseデジタルツインオペレーティングシステムとCosmosフィジカルAIが、物的産業をデジタル化するための基盤ライブラリとして機能するとしている。
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