PTCは、Tel Aviv Medical Center、Hexagonと共同で完全個別化の肩甲骨インプラントを作製した。16歳のがん患者のために設計、製造したオーダーメイドのチタン製肩甲骨インプラントで、患者の解剖学的構造に高精度で合致させている。
PTCは2024年11月13日(現地時間)、Tel Aviv Medical Center、Hexagonと共同で、完全個別化の肩甲骨インプラントを作製したと発表した。16歳のがん患者のために設計、製造したオーダーメイドのチタン製肩甲骨インプラントで、患者の解剖学的構造に高精度で合致させている。
設計、製造には、最先端の積層造形技術と医療用画像技術を活用。腫瘍とその周囲の骨を3Dで分割し、患者本来の解剖学的容積と形状、運動学的特性を維持しつつ、解剖学的モデルのデジタルツインを作成した。これを1:1の縮尺でプリントし、術前計画や切除断端の描出に使用している。
残存骨の固定および肩甲上腕関節と肩鎖関節の再建にはPTCの「Creo」を利用し、3Dプリントによる高度なカスタムインプラントを設計した。個別化インプラントはシームレスに適合し、患者は可動性を数日中に取り戻し始めた。
また、PTCの「Creo Design for Metal Additive Manufacturing」を活用しており、サポートと歪みを最小限に抑え、結合組織と筋肉の成長を促進する格子(ラティス)構造を導入している。肩や腕の動きに対するインプラントの耐荷重性は、高度な機構シミュレーションを利用して検証した。
インプラントの製造性確保とプリント試行回数は、Hexagonの「Simufact Additive」を活用して低減した。プリント時に部品の歪みをもたらす熱や機械プロセスをシミュレーションし、歪みを補正している。
CTスキャンデータは、HexagonのCTデータ可視化ソリューション「VGSTUDIO MAX」を利用して処理。認証を得るためのプリント品質を検証した。
今回のインプラント作製に当たり、Tel Aviv Medical Centerは新たな医療技術の開発を推進し、Hexagonは製造工程の最適化、検証、品質保証を通じて医療用インプラントの安全性承認取得をサポート。PTCはDXに注力し、Creoによりサポートした。
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