というところで、早速使ってみましょう(図2)。
ファイルを読み込むとモデルの一部が赤く表示されたモデルが表示されました。面の反転と面の間にギャップがあるようです。
ということで直してみます。と言ってもこのためにすることは「自動修正」をクリックするだけです(図3、4)。
以上で修正完了です。もちろん、「netfabb basic」などにも自動修正の機能を使ってあらかじめ定義されているスクリプトを実行して、自動的に修正することができますが、このソフトでは「自動修正」以外に押すものがないので迷いません。
エラーによって、例えば「厚みをつけて修正すべきか」それとも「穴をふさいで直すべきか」、ソフト側で判断に迷う場合には、別途ダイアログが表示されてユーザーが選択する必要がありますが、単に「どっちにするべきか」を聞いているだけなので、操作そのものでは迷うことはありません。
後はこのファイルをエキスポートすればOKです。エキスポートする際には、出力サービス業者があらかじめ提供している公開鍵に従って暗号化され、ユーザーはそのファイルを出力サービスに送ればよいというわけです。つまり、ユーザー側は修正ツールを使うだけという操作性には違いがなく、余計な手順を踏むことがありません。というか、簡単な操作だけで安全も担保できるということです。
この暗号化のための公開鍵は出力サービス業者が作成し提供します。従って、このファイルが仮にどこかで傍受されたとしても、復号できるのでは秘密鍵を持つ出力サービス業者だけになります(図5)。
出力サービス側では受け取ったデータを復号化すれば、元のSTLになります。
出力サービス側は、このようなソフトを入稿用のソフトとして提供することでユーザーに対して利便性と安全性という付加価値を提供することができるようになります。
現在、このソフトはサービサーが自社の出力サービスを利用するユーザーに対する付加価値を提供するサービスとして展開することが想定されていますが、企業における利用も想定されています。例えば、自社の設計部門と協力会社間でのやりとりにも使うことができます。
時限ライセンスも設定できるので定期的にメンテを促すことも可能ですし、前述のようにサービサー用のURLを使ったお知らせ機能(新着記事)も使えるので、さまざまな情報提供をすることが可能なようです。
このソフトを使うために重要なのは、サービサー側の動きです。ユーザー側も特に業務でデータを入稿する上でセキュリティがとても重要であることは言うまでもないと思いますが、現在のところはせいぜい契約書と倫理で守られている状態です。
かつて私は、出張仕事が多かった頃、iモードのサービスが始まったばかりで、飛行機の予約をそれで行いクレジットカードの情報も入力して購入していました。予約の変更も移動中の空港バスの中でもできたので便利に使っていました。しかしiモードのセキュリティは当時、インターネットほどには厳しくなかったようです。今のSTLも同様な状態ではないでしょうか。
ということで、本日はこちらで失礼いたします。ではでは。
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