Appleが発表した最新ノートPC「MacBook Neo」では、再生素材の活用や製造工程の脱炭素化など、環境配慮設計の取り組みが進められている。本稿ではMacBook Neoの製品環境報告書を基に、その具体的な内容を紹介する。
Appleは、2030年までに同社のカーボンフットプリント全体でカーボンニュートラルの達成を目指す環境目標「Apple 2030」を掲げている。この一環として、製品設計や製造工程において再生素材の活用や脱炭素化など、環境負荷低減に向けた取り組みを進めている。
2026年3月11日から販売を開始した最新ノートPC「MacBook Neo」も、こうしたビジョンに基づき、環境に配慮したモノづくりを追求している。
MacBook Neoは13型のLiquid Retinaディスプレイと、「iPhone 16 Proシリーズ」に採用されているAppleシリコン「A18 Pro」を搭載し、最大16時間のバッテリー駆動を実現。販売価格が9万9800円(税込み)からと、MacBookの裾野を広げるエントリーモデルとして注目されている。
MacBook Neoの製品環境報告書によると、デバイス本体の質量に対して60%の再生素材が使用されているという。
筐体には90%の再生アルミニウムを採用。バッテリーには100%再生コバルトと95%再生リチウムを使用している。また、複数のプリント基板に100%再生銅を使用する他、カメラ内部の金線や全てのコネクターの金メッキには100%再生金が採用されている。Appleが設計した全てのプリント基板では、金メッキやはんだ(スズ)にも100%再生素材が用いられている。
さらに、全ての磁石には100%再生レアアースを採用する。スピーカーやキーボードのリンクバー、バッテリートレイなど複数の部品で80%以上の再生スチールを使用。28の部品では50%以上の再生プラスチックが使われている。
MacBook Neoの筐体は、材料効率に優れた成形プロセスによって製造されているという。これにより、従来の機械加工法と比べて、筐体製造に必要なアルミニウムの使用量を50%削減している。
製造工程では、使用電力の45%をサプライヤーの再生可能エネルギープロジェクトから調達しているという。なお、Appleはサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減に向けて、サプライヤーによる再生可能エネルギー導入を進めている。
Appleの試算によると、MacBook Neo(256GBモデル)のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量は103kg(CO2e)だという。この値は、原材料の採掘や加工、部品製造、製品組み立て、輸送、製品使用、寿命末期の処理など、製品および同梱アクセサリー、パッケージを含むライフサイクル全体で発生する排出量を二酸化炭素(CO2)換算で示したものだ。報告書では、この排出量の内訳として、材料および製造プロセスに由来する排出が21%、製造時の電力使用が40%、再生可能エネルギーに関連する排出が1%、製品使用時の電力が23%、輸送が15%、廃棄処理が1%未満と試算している。
製造工程では水資源の利用効率の改善にも取り組んでいる。MacBook Neoの筐体製造では強化された陽極酸化処理プロセスを導入し、70%の水再利用率を達成したという。
また、全ての最終組み立てサプライヤーの拠点(Appleのサプライヤーとなって1年以上経過している拠点)は、埋め立て地に送られる廃棄物を発生させていないゼロウェイスト認定を受けている。商品パッケージは100%ファイバー(繊維)ベースで、再生繊維または責任ある方法で調達された繊維のみを使用している。
さらに、MacBook Neoは米国環境保護庁(EPA)が定める省エネルギー基準「ENERGY STAR」と比べて、少なくとも60%低いエネルギー消費を実現しているという。
Appleは、材料やエネルギーだけでなく、製品の安全性や長期使用を前提とした設計にも取り組んでいる。報告書では、長期間にわたって製品を使用できるよう設計段階から耐久性の向上に配慮している点が挙げられている。
製造工程で使用する化学物質についても管理を強化しており、部品洗浄などで使用される洗浄剤の安全性を高める“より安全なクリーナー”の採用や、材料や化学物質の選定段階から有害物質の使用を抑制する“よりスマートな化学”といった取り組みも進めている。
これらは、製品の製造から使用、廃棄までのライフサイクル全体で、環境負荷や人体への影響を低減することを目的としている。
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