Appleが発表したスマートフォンの最新エントリーモデル「iPhone 16e」について、“環境に配慮したAppleのモノづくり”の観点で注目してみた。
Appleは2025年2月19日(米国時間)、スマートフォンの最新エントリーモデル「iPhone 16e」を発表した。
iPhone 16eは、同社が掲げる「Apple 2030」の達成に向けて、より多くの再生素材や再生可能な素材を使用して設計されている。
具体的には、iPhone 16eの筐体に85%再生アルミニウムを採用する他、バッテリーに100%再生コバルトと95%再生リチウムを用いている。また、全てのカメラの配線、自社設計の全てのプリント回路基板のメッキ、USB Type-Cコネクター、その他の小型部品/標準部品に100%再生金を使用している。
複数のプリント回路基板には100%再生銅が、電磁誘導充電器(ただしMagSafe非対応)には100%再生銅ホイルと再生銅線が採用されている。自社設計の全てのプリント回路基板のハンダ付けには100%再生スズが用いられている。
振動と触覚フィードバック機能を実現する装置「Taptic Engine」には、100%再生タングステンと再生銅線を使用。全てのマグネット(磁石)には100%再生希土類元素が使われている。
背面ガラスには10%再生ガラスを使用。背面ガラス補助プレート、スピーカー、小型部品といった複数要素で80%再生スチールを採用するとともに、15の部品に50%以上再生プラスチックが用いられている。
商品パッケージにはファイバー(繊維)素材が100%使用されており、そのうち60%以上で再生素材が使われている。これにより“2025年末までにパッケージからプラスチックを取り除く”という同社の目標に一歩近づいたとする。
さらに、環境への配慮として、無ヒ素ガラスの使用、水銀、BFR(臭素系難燃剤)、PVC(ポリ塩化ビニル)の不使用などもうたっている。製造にかかる電力に関しては30%以上がサプライヤーの低炭素エネルギープロジェクトから調達されている。
これらの取り組みによって、iPhone 16eの製品全体(パッケージや同梱アクセサリーを除く)としての再生素材または再生可能素材の使用割合(デバイスの総質量に対する認定取得済み再生素材の質量の割合)は30%以上に達するという。
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