レノボ・ジャパンは「ThinkPadシリーズ」の新製品として、フラグシップノートPCの最新モデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 12」など全14機種を発表した。本稿では、新製品に採用された同社のサステナビリティに関する取り組みを中心に紹介する。
レノボ・ジャパンは2024年3月26日、「ThinkPadシリーズ」の新製品発表会を東京都内で開催した。新製品はフラグシップノートPCに位置付けられる「ThinkPad X1シリーズ」の最新モデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 12」「ThinkPad X1 2-in-1 Gen 9」や、モダンなデザインとパフォーマンスを両立した「ThinkPad Tシリーズ」の最新モデル「ThinkPad T14s Gen 5」「ThinkPad T14 Gen 5」「ThinkPad T16 Gen 3」を含む全14機種を投入する。
新製品発表会に登壇したレノボ・ジャパン 大和研究所 ThinkPad Platform Development #2 マネージャーの米田雅春氏によると、今回のThinkPadシリーズ新製品のフォーカスエリアは「創るためのツールとしてインプット体験の磨き上げ」「オンライン会議は社会インフラに コラボレーション体験の向上」「従業員体験をAI(人工知能)で改善する」「リペアラビリティを大幅強化 持続可能性へのフォーカス」の4つだという。
新製品の詳しいラインアップやスペックなどの紹介は他メディアにお任せするとして、本稿ではThinkPadシリーズの最新機種におけるサステナブルなモノづくりの実現、上記のフォーカスエリアでいう「リペアラビリティを大幅強化/持続可能性へのフォーカス」の部分に焦点を当てる。
同社では、デザイン/製造、使用中、使用後の3つのフェーズにおいて、サステナビリティに関する取り組みを推進。デザイン/製造のフェーズでは、再生素材や再生可能素材の製品への採用、プラスチックフリーパッケージのThinkPadシリーズにおける標準採用、低温ハンダ技術の採用と業界への技術提供などを実践している。製品の使用中のフェーズでは、製品使用中のエネルギー効率の追求とバッテリー駆動時間への挑戦、メンテナンス性を重視した設計の採用を通じて、製品の持続的な使用の促進および製品の長寿命化に取り組んでいる。そして、使用後のフェーズとしてCO2オフセットサービスによるカーボンオフセットの実践、修理パーツの再生利用や使用後のリサイクル/買い取り対応などを行っている。
このうち、米田氏はThinkPadシリーズ新製品におけるサステナビリティ注力事項として、「メンテナンス性の向上」「再生素材の使用」「電力効率の改善」の3つについて取り上げた。
まず、「メンテナンス性の向上」については、ThinkPad T14 Gen 5とThinkPad T16 Gen 3において、部品交換や修理が容易に行える設計および機構を採用したことを紹介した。具体的には、ユーザー自身が内蔵バッテリーパック(大容量バッテリー)を交換できる設計を採用した他、デュアルメモリスロットを搭載し、利用開始後のアップグレード(メモリの増設)に対応する。さらに、作業ミスを低減するために、ユーザー交換可能なパーツの装着箇所の識別性を向上させるラベリングが施されている。なお、前述の内蔵バッテリーパックの色がグレーなのは、取り外しするネジ(黒色)とのコントラスト比を付けるためであり、「作業時にネジを紛失した際などの発見可能性を高める効果がある」(米田氏)という。
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