「再生素材の使用」に関しては、ThinkPadシリーズ新製品の全てにおいて、リサイクルマグネシウムやリサイクルアルミニウム、リサイクルプラスチックなどの再生由来素材を筐体部品に採用しているという。さらに、フラグシップノートPCの最新機種であるThinkPad X1 Carbon Gen 12では、航空機の製造現場などから出たカーボンファイバー(炭素繊維)の端材を天板のフレーム部の原料として再利用している。カーボンファイバーの含有量はThinkPadの衝撃/落下テストの結果を踏まえて調整を行っており、十分な強度と堅牢(けんろう)性が担保されているという。その他にも、キーキャップやスピーカー、バッテリーフレーム、ACアダプターをはじめとする多くの内部部品にも再生由来素材が採用されている。

(左)「ThinkPad X1 Carbon Gen 12」の天板フレームの原料として用いられているリサイクルカーボンファイバー(左の容器にカーボンファイバーの端材が、右の容器に樹脂と混練した素材が入っている)/(右)ThinkPad X1 Carbon Gen 12の天板(左:細長い部分がフレーム、中央:塗装前の天板、右:塗装後の天板)[クリックで拡大]「電力効率の改善」については、一例として、ThinkPad X1 Carbon Gen 12およびThinkPad X1 2-in-1 Gen 9で4K MIPIカメラを選択した場合に利用できる「Computer Vision 2.0」による機能を紹介。AIがユーザーの動きを読み取り、ディスプレイの消灯や離席時の自動ロック/着席時の自動ログインを実現するもので、利用者のみを顔認識して反応するため消費電力の低減だけでなく、セキュリティの強化にも役立つ。さらに、外部ディスプレイと接続して利用する際には、視線が外部ディスプレイに向くとPCのディスプレイの輝度を自動で下げるといったことも行うという。
その他、ThinkPadシリーズ新製品における設計/デザイン面でのポイントとしては、ThinkPad X12 Detachable Gen 2を除く全ての機種でアスペクト比16:10の4辺狭額縁ディスプレイを採用し、背面排気デザインに統一されている。また、4辺狭額縁と高画質カメラ体験を両立するコミュニケーションバーデザインを採用している。
さらに一部の機種では音量ボリュームキーやエンターキーなどにポジションバー(突起)が追加され、キーボードのアクセシビリティーが強化されている。同じくインプット体験の磨き上げとして、クリックパッド(タッチパッド)も大型化しており、ThinkPad X1 Carbon Gen 12およびThinkPad X1 2-in-1 Gen 9では、一般的な3つボタンクリックパッドの他、感圧式クリックパッドが選択可能になっている。
「ThinkPad」開発で実践するサステナブルなモノづくり
「ThinkPad」が世界に発信する日本のモノづくり力、折り畳みノートPCもさらに進化
大和研究所、再生材使用率95%のリサイクル材料や低温はんだを「ThinkPad」へ
まずは動くものを作って見せる、4代目サイトリーダーが語る大和研究所の製品開発
曲がるだけじゃない、PCの新ジャンルを切り開く「ThinkPad X1 Fold」の価値
G-SHOCK 40周年モデルはパッケージもとことんエコ、カシオの環境配慮への取り組みCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング
よく読まれている編集記者コラム