まずは動くものを作って見せる、4代目サイトリーダーが語る大和研究所の製品開発デザインの力(1/2 ページ)

レノボ・ジャパンは「ThinkPadシリーズ」の開発拠点であり、次世代PC開発の要である「大和研究所」の新サイトリーダー着任に伴い、記者説明会を開催。新サイトリーダーを務める同社 大和研究所 執行役員 Distinguished Engineerの塚本泰通氏が、大和研究所の全体概要やイノベーション創出に向けた取り組みなどについて紹介した。

» 2021年11月09日 13時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 レノボ・ジャパン(以下、レノボ)は2021年11月8日、同社のシグニチャーブランドである「ThinkPadシリーズ」の開発拠点であり、次世代PC開発の要である「大和研究所」(横浜市西区)の新サイトリーダー(責任者)着任に伴い、記者説明会を開催。新サイトリーダーを務める同社 大和研究所 執行役員 Distinguished Engineerの塚本泰通氏が、大和研究所の全体概要やイノベーション創出に向けた取り組みなどについて紹介した。

長年ThinkPadシリーズの開発に携わってきた塚本氏

大和研究所の新サイトリーダーに着任したレノボ・ジャパン 大和研究所 執行役員 Distinguished Engineerの塚本泰通氏 大和研究所の新サイトリーダーに着任したレノボ・ジャパン 大和研究所 執行役員 Distinguished Engineerの塚本泰通氏[クリックで拡大]

 塚本氏は、東京大学大学院 工学系研究科 情報工学専攻を卒業後、2002年に日本IBMに入社し、ThinkPad Tシリーズの開発エンジニアとしてキャリアをスタート。2005年にレノボに移って以降もTシリーズ、Xシリーズ、X1シリーズの内製設計とイノベーションプロトタイプ開発を経験し、長年ThinkPadシリーズの開発に携わってきた。さらに、ワールドワイドのシニアバイスプレジデントのテクニカルアシスタントを務め、レノボのPC全体の技術戦略などにも関わってきた経験を持ち、2017年4月にはThinkPad開発部長に就任し、画面折りたたみ式PC「ThinkPad X1 Fold」を含む数々の製品を統括してきた。2020年4月にDistinguished Engineerに任命され、同年11月にExecutive Directorに就任。2021年10月から同社 執行役員を務めている。

 大和研究所のサイトリーダーは、“ThinkPadの生みの親”として知られる内藤在正氏に始まり、横田聡一氏、福島晃氏が務めてきた。塚本氏はそのバトンを引き継ぎ、このたび4代目の大和研究所のサイトリーダーに着任した。

 塚本氏は「ThinkPadシリーズは来年(2022年)で30周年を迎える。ThinkPadは働き方改革を提案し、どこにいても常に生産性高く仕事ができるよう進化し続けてきた。今、コロナ禍で働き方が大きく変わる中、グローバルで多様な働き方を支え、磨かれてきたThinkPadは、よりお客さまの力になれると信じている。大和研究所として、テクノロジーの力で人々の働き方や生活をより良くしていくことを目指し、幅広い技術に取り組んでいく」と述べ、これまで受け継がれてきた製品哲学と開発哲学を基に、その時代に合わせた生産性向上を実現し、顧客の成功をサポートすることを目指していくという。

ThinkPadシリーズの製品哲学ThinkPadシリーズの開発哲学 ThinkPadシリーズの製品哲学と開発哲学[クリックで拡大] 出所:レノボ・ジャパン

 また、その際「顧客の声に耳を傾け、イノベーションや技術の種(シード)を大切にし、技術偏重にならず、お客さまが使いやすい技術、使える技術は何かを見極めて、バランスをとって製品に展開していきたい」(塚本氏)と、Customer Centric(顧客中心)のイノベーション創出の重要性を説く。

Customer Centric(顧客中心)のイノベーション創出を重視する大和研究所 顧客のビジネスの成功に向けてCustomer Centric(顧客中心)のイノベーション創出を重視する大和研究所[クリックで拡大] 出所:レノボ・ジャパン
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