タカラトミーは「東京おもちゃショー2024」で、石油由来のプラスチックに代わる環境に優しい玩具素材の研究開発成果の一環として、カカオ豆の皮や卵の殻、海底火山の噴石などを活用した「プラレール」を参考出品した。
タカラトミーは「東京おもちゃショー2024」(商談見本市:2024年8月29〜30日/一般公開:同年8月31日〜9月1日、会場:東京ビッグサイト)に出展し、「タカラトミーグループのサステナビリティ」に関する展示を行っていた。本稿では、その取り組みの一つとして訴求していた「タカラトミーグループのエコな未来」について取り上げる。
現在、タカラトミーグループでは、卵の殻やお米の籾殻など、従来廃棄されてしまうような自然由来の素材に着目し、石油由来のプラスチックに代わる環境に優しい玩具素材の研究開発に取り組んでいる。今回の展示では、そのチャレンジにおける現段階の研究開発成果として、さまざまな環境配慮素材(サステナブル素材)を活用した「プラレール」を参考出品していた。
「プラレールに関しては2012年から10年以上にわたり、レール部品の50%以上に再生材料を配合した『エコレール』を展開してきた実績があるが、われわれはその先の取り組みとして、再生材以外の環境に配慮した素材の可能性についても研究開発する必要があると考えている。将来的には商品化までつなげていきたい」(説明員)
展示ブースでは、サステナブル素材を活用した研究開発の成果として、海底火山の噴石、カキの殻、コーヒー豆の薄皮、卵の殻、お米の籾殻、廃棄される木片を配合した素材で作られたプラレールのレール、キャッサバ(タピオカの原料)を配合した素材で作られたブロック橋脚、明治のチョコレート工場から排出されるカカオハスク(カカオ豆の種皮)を配合した素材で作られたプラレール車両を訴求。その他、花王が推進する「リサイクリエーション」活動とのコラボレーションで誕生した、使用済み詰め替えパックを再資源化して作られたリサイクル樹脂製のプラレールのレールも展示されていた。
プラレールは2024年で65周年を迎えるロングセラー商品であるため、既存のプラレールと組み合わせて/つなげて遊べることが必須だ。また、商品化に向けては、強度、品質、安全性といったさまざまな条件をクリアし、STマーク(玩具安全マーク)の取得や、同社が取り組む「エコトイ」(エコに関する9つの基準のうち1つ以上をクリアした玩具)の認定を得る必要があるという。
「強度や品質だけでなく、成形性、コストなど、サステナブル素材の活用にはまだ課題も残されているが、タカラトミーグループとして、将来の商品化に向けてしっかりと取り組んでいきたいテーマだ。今回の研究開発は、基本的に単一素材で商品化されているプラレールを対象に進めているが、将来的には他の商材への展開も視野に入れている」(説明員)
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