では、3次元マウスを使うと、伊予鉄のモデリングはどう変わるのでしょうか。早速試してみましょう。
長々とモデリングをしても飽きてしまうので、取りあえず「電車の乗客用ドアを複製する」作業をしてみました。
まずは、「3次元マウス」なしで進めます。静止画で見てもよく分からないと思うので、短い動画を作ってみました。
基本的な動作は問題ないですが、ズームインして拡大しつつ、グルグルさせようとすると、思ったようにいかないところもあったりと、多少手間取ることがありました。
ざくっと、作業開始から全てのドアが複製されているのを確認したところまでで、手元のストップウオッチをチェックしたら「54.5秒」。
さて今度は3次元マウスを使って、上と同じ作業をしてみます。
不慣れな動きには目をつぶっていただくとして、全体的には動きがカクカクせずに、スムーズにグルグルとしている感じが上の動画からお分かりいただけるでしょうか。
基本的には、予想外のところに3次元モデルが飛んでいってしまうというようなこともなく、作業にかかった時間は「37.6秒」。普通のマウスだけのときと比べて、16.9秒短縮しました。
3次元マウスは「使ってみないとよく分からない系」の製品ですが、実際に長いこと使い続けている人からは、日常の手の延長になってしまっているので、「それがあることの方が自然」という声を聞きました。
しかし、大多数の人たちは、既に普通のマウスだけで作業をしていて、それはそれで自然なので、なくても取りあえずは困らないという状況でしょう。
で、「肝心のお前はどうなのだ?」という話ですが、結論から言うと「使った方がよい」です。
もちろん慣れるまでの戸惑いはあるにしろ、回転を始めとする動きに関しては左手で、それ以外、例えば選択などの作業は右手に振り分けることで、操作が途切れなくなります。つまり慣れてしまえば「楽」だということです。もちろん作業も早くなります。個人的には、「作業効率が……うんぬん」という議論の前に、とにかく作業者本人が「楽」になることが大事だと考えます。
何で普通のマウスは、家電量販店にいけばたくさんの種類があるのに、3次元マウスは3D Connexion製しかないのか、という疑問すらわきました。
一応製品レビュー記事っぽく、私なりの解釈を何とか伝えようと、数値などで示そうとしましたが、「多分、それじゃ伝わりにくいだろうな」と思いました……。
あえて個人的なことを申し上げれば、もちろん仕事の道具なので「最終的には、どの程度まで業務効率化が図れるのか」ということにつながってくると思います。ですが、今回私が実際に触ってみた感想としては、「感覚的な面白さ」がこの製品のよさだといったところです。
あと、「子どもみたいなことを言って……」と笑われそうですが、左手で勢いよく3次元モデルをグルグルしながら作業していると、作業が何だか楽しい感じがしました(まあ、日常になってしまえば、その感覚も変わるのでしょうが)。
一昔前、PCゲームで物体を動かすとき、キーボードに上下左右の移動コマンドを割り当てて動かしていましたが、それがジョイスティックの操作に変わったときのような感覚かもしれません。
3次元マウスは、まずは、あまり構えずに使ってみるのがよいのでしょう。試してみる価値は十分あるガジェットだと思います。私、個人としてもお勧めです。
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