富士ゼロックスがベトナムに生産拠点設立する。海外生産拠点の拡大を期に、生産工程の効率化も推進していくという。
富士ゼロックスは2012年8月16日、ベトナムでの生産拠点設立を発表した。
現在同社は、中国にある2つの生産拠点(深セン、上海)で、同社が販売するデジタルカラー複合機および小型LEDプリンタの約9割を生産している(同社の生産拠点、その他の海外拠点は下図を参照)。
今回発表したベトナムでの生産拠点新設は、アジア太平洋地域や新興国市場への対応とともに、生産拠点の分散によるリスクヘッジの意味合いを持つ。同社は、新たな生産拠点をベトナムに設置した理由として、情報機器産業の生産拠点が同国に集約しつつあることに加え、中国やタイなど周辺国との輸送路が比較的良好であることを挙げている。
新会社の社名は「Fuji Xerox Hai Phong Co., Ltd.」(富士ゼロックスハイフォン)。ベトナム北部ハイフォン市のVSIPハイフォン工業団地に建設する(富士ゼロックスアジアパシフィックが100%出資)。2012年12月に着工を開始し、翌2013年11月に操業を開始する。生産能力は年間約200万台。
ハイフォンはベトナムの沿岸部に位置し、都市の規模としてもベトナム第3位に位置付けられる。ベトナム国内での工業団地の開発が盛んな地域の1つ。同社が拠点を構えるVSIPハイフォン工業団地は、ハイフォン港から約16km、首都ハノイ市中心部からは約100kmのところに位置する。工業団地はベトナム国営企業であるBecamex、シンガポールのSembcorpが出資して設立したVSIP Hai Phongが運営している。
富士ゼロックスハイフォンでは、今後、プリント基板やドラムカートリッジ用部品など、デジタル複合機や小型LEDプリンタ用の部品も生産する予定だ。組み立てラインと部品生産ラインを垂直統合して生産の同期化を進めるとしている。外部から調達する部品もアジア全域を対象に選定し、コスト削減を図る。加えて、同社製品ラインアップの分散生産体制を整えるべく、生産設備や冶具の共通化も推進するという。
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