NVIDIAとトヨタ自動車、フィジカルAI活用で車両/工場/都市を連携製造マネジメントニュース

NVIDIAはトヨタ自動車との協業を通じて、車両開発やソフトウェア開発、工場運営、都市インフラにおけるフィジカルAIの活用を拡大する。

» 2026年08月03日 16時00分 公開
[MONOist]

 NVIDIAは2026年7月16日、トヨタ自動車との協業を通じて、自動車、ロボティクス、都市インフラの各分野でフィジカルAI(人工知能)の活用を推進すると発表した。両社は車両、インフラ、産業オペレーションをAIで連携させ、安全性や効率性の向上を目指すとしている。

 今回の取り組みは、2025年に発表したトヨタ自動車が安全認証を取得したNVIDIA DriveOSを搭載する車載コンピューティング基盤「NVIDIA DRIVE AGX」を活用し、高度運転支援機能(自動運転レベル2++、以下L2++)を備えた次世代車両を開発する計画を拡張するもの。対象は車両開発にとどまらず、ソフトウェアエンジニアリングや製造現場、都市システムへと広がる。

 車両開発分野では、トヨタ自動車がNVIDIA DRIVE AGXとDriveOSを活用し、高度な運転支援機能を搭載する次世代車両を開発している。L2++相当の機能を備えながら、同社の安全基準に対応した運転支援システムの構築を進める。

 ソフトウェア開発では、トヨタ自動車が大規模言語モデル開発基盤「NVIDIA Megatron-LM」を活用する。MISRA準拠のコードアシスタントAIモデルを用い、自動車向けソフトウェアのコード生成やレビュー、検証作業を効率化する。車載ソフトウェアの品質を維持しながら、開発速度の向上を図る。

 製造分野では、デジタルツインやロボットシミュレーション向けプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」および「NVIDIA Isaac Sim」を活用する。工場設備やロボットの動作、製造工程を仮想空間上で再現し、生産準備や製造現場の最適化に活用する。シミュレーションを通じて運用効率の向上やコスト削減を図る。

 また、トヨタ自動車の子会社であるWoven by Toyotaは、NVIDIA H100 TensorコアGPUとMegatron-Coreを活用し、マルチモーダルビジョン言語モデルを開発した。このモデルは、映像や言語など複数の情報を統合して現実世界の状況を理解し、将来起こり得る事象を予測することを目的としている。

 フィジカルAIは、AIが現実世界の環境を認識し、状況を判断したうえで行動する技術の総称で、自動運転車やロボット、スマートシティー分野で活用が進んでいる。従来の生成AIが情報処理やコンテンツ生成を担うのに対し、フィジカルAIは現実空間との相互作用を前提とする点が特徴だ。

 自動車業界では、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)の普及を背景に、車載ソフトウェア開発や運転支援機能の高度化にAIを活用する動きが加速している。また、製造業でもデジタルツインやシミュレーション技術を活用して開発期間の短縮や生産効率の向上を図る取り組みが広がっている。

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