デンソーが日本特殊陶業へのスパークプラグ事業譲渡を中止、EV市場減速が背景:製造マネジメントニュース

デンソーが日本特殊陶業へのスパークプラグおよび排気センサー事業の譲渡を中止すると発表した。デンソーの申し入れを受け両社で協議を重ねた結果、2025年9月に締結した事業譲渡契約を解約する合意書を締結したという。

» 2026年10月02日 16時30分 公開
[MONOist]

 デンソーは2026年10月2日、日本特殊陶業へのスパークプラグおよび排気センサー(酸素センサーと空燃比センサー)事業の譲渡を中止すると発表した。デンソーの申し入れを受け両社で協議を重ねた結果、2025年9月に締結した事業譲渡契約を解約する合意書を締結した。

 両社は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた電動車のさらなる普及や、地域/国ごとに異なるエネルギー事情への対応に向けパワートレインの多様化が進む中、各技術領域における製品進化と、市場規模に応じた持続可能な供給体制の構築が自動車業界共通の課題であるとの認識の下で、2023年7月からスパークプラグおよび排気センサー事業に関する事業譲渡の検討を開始し、2025年9月に事業譲渡契約を締結した。

 買収対象事業の2024年度(2025年3月期)の売上高は1918億1900万円で、日本特殊陶業の買収金額は1806億円。事業譲受の実行日は未定となっていたものの、買収金額の価格算定基準日は2026年3月31日となっており、2025年度内の事業譲受の完了を目指しているとみられていた。

 しかし、事業譲渡契約の締結以降に「市場環境は当初の想定から変化しており、電動化は着実に進展する中においても、地域ごとに異なるエネルギー事情および規制環境を背景に、多様なパワートレインに対する需要が当初想定より長期にわたり継続している状況」(デンソー)になったという。

 デンソーはこうした環境変化を踏まえ、中期経営計画「CORE 2030」で掲げる、モビリティの多様化を支える商品づくり/システムの提供という観点からあらためて事業戦略を検証した。その結果、譲渡対象のスパークプラグおよび排気センサー事業を継続することが、多様化するモビリティニーズへの対応力を維持/強化する上で最適であると判断し、日本特殊陶業に事業譲渡契約の解約を申し入れるに至った。

 日本特殊陶業は、「当該申し入れに関わる交渉が継続し本事業譲受プロセスが長期化することは、当社事業の将来見通しについての不透明性を高めるのみならず、円滑な事業譲受およびシナジー創出に向けた統合計画策定への影響が発生し、加えて、本事業譲受の実行の後倒しによる譲受メリットの減少が生じるなど、当社の経営資源の配分および資本効率の観点から適切ではないと判断し、デンソーからの申し入れを受け入れ、事業譲渡契約を解約することとした」(ニュースリリースより抜粋)としている。

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