帝国データバンクは、中東情勢の緊迫化に伴う、ナフサなど石油製品の供給状況に関する影響調査の結果を発表した。企業の69.4%が3・4月時点と比べて「影響の強まり」を感じており、51.7%が「在庫の確保」を実施していることが分かった。
帝国データバンクは2026年6月23日、中東情勢の緊迫化に伴う、ナフサなど石油製品の供給状況に関する影響調査の結果を発表した。企業の69.4%が3・4月時点と比べて「影響の強まり」を感じており、51.7%が「在庫の確保」を実施していることが明らかになった。調査は同年5月21〜31日にインターネット上で実施し、4604社から有効回答を得た。
事業活動の影響として最も多かったのは「原材料・部材の仕入れコスト上昇」(83.9%)で、「調達が不安定・入手困難」(73.0%)や「調達リードタイムの長期化」(50.2%)がこれに続いた。調達上の支障が最も生じている資材は、塗料や接着剤、シンナーなどの「化学系加工資材」(29.6%)だった。現状では、基礎素材を原料として製造する接着剤など、加工や流通で使う資材が調達難に直面している実態が浮かび上がった。
在庫保有期間から推定した在庫量は商流や業種により差が見られ、最も多いのはサプライチェーンの川下に位置する自動車製造などの「最終組立」(56日分)で、最も少ないのは「建設業」(24日分)だった。全面的な供給停止というよりも、商流や業種で在庫の持ち方に偏りが生じ、一部の資材と業種で調達の目詰まりが起きやすい状況にあると捉えられる。
現在の供給状況を踏まえた短期的な取り組みとしては、「在庫の確保」(51.7%)や「価格改定」(39.5%)、「顧客への納期・価格・仕様の再交渉」(37.8%)の動きが見られる。限られた在庫や納期余力に対し、「顧客対応の優先順位付け」(14.4%)を行う企業もあるようだ。供給調整は合理的な自衛策だが、商流上の目詰まりを生む要因となっている可能性がある。
石油製品の供給不安は、プラスチックや自動車部品、医療用品、建築資材など幅広い分野に影響を及ぼしている。ただしその焦点は、全面的な供給停止ではなく、流通の偏りや価格変動を企業がどの程度吸収できるかに移りつつある。
同年6月時点で経済産業省は、年度を越えて供給継続できる見通しを示すとともに、目詰まりや偏りの解消に向けた取り組みも進めている。こうした対応から目詰まりの緩和も期待されるが、企業側は引き続き、取引先との関係や価格転嫁力の強化、在庫や代替調達に必要な資金余力の確保などが重要となる。
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