電動化戦略見直しのホンダが四半期営業利益で過去最高、2026年度業績も上方修正製造マネジメントニュース

ホンダが2026年度第1四半期の連結業績を発表。好調な二輪事業に加え、四輪事業も中国での苦戦を日本と北米の好調さが支え、四半期営業利益で過去最高を記録した。2026年度通期の連結業績見通しも円安による為替影響を織り込み上方修正している。

» 2026年08月06日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
ホンダの川口正雄氏 ホンダの川口正雄氏

 ホンダは2026年8月5日、オンラインで会見を開き、2026年度(2027年3月期)第1四半期(4〜6月期)の連結業績を発表した。

 2026年度第1四半期のグループ販売台数は、二輪事業が前年同期比10.1%増の566万3000台、四輪事業が同6.3%減の78万6000台、パワープロダクツ事業が同9.2%減の75万2000台。二輪事業は期初の想定よりもインドを中心とするアジア、ブラジルで大きく増加した。四輪事業は、日本と北米が好調だったものの、中国を中心とするアジアが同38%減の12万7000台と大幅に減少した影響をカバーしきれなかった。パワープロダクツ事業は北米と欧州で減少した。

ホンダの2026年度第1四半期のグループ販売台数 ホンダの2026年度第1四半期のグループ販売台数[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 2026年度第1四半期の連結業績は、売上高が同13.5%増の6兆615億円、営業利益が同117.4%増の5307億円、税引前利益が同107.0%増の6050億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同129.3%増の4509億円となった。営業利益は四半期として過去最高を記録した。なお、四輪事業の電動化戦略の見直しに伴うEV(電気自動車)関連損失については「現在、北米を中心とするサプライヤーと交渉を進めている段階であり、この第1四半期は計上していない。今後、交渉がまとまり次第、第2四半期以降に順次計上していくことになる」(ホンダ 執行役 CFOの川口正雄氏)という。

ホンダの2026年度第1四半期の連結業績 ホンダの2026年度第1四半期の連結業績[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 好調な業績をけん引したのは二輪事業だ。売上高が同19.9%増の1兆1411億円、営業利益が同23.7%増の2890億円で、営業利益率は20%超えとなる20.5%を記録した。二輪事業として過去最高の営業利益と営業利益率を達成したという。四輪事業も、中国での苦戦はあったものの日本と北米の好調さが支える形で、売上高が同9.4%増の3兆8791億円、営業利益が2217億円改善の1921億円となり黒字回復した。

2026年度第1四半期の事業別業績 2026年度第1四半期の事業別業績[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 連結業績の営業利益増減要因のうち最も大きいのが為替影響で980億円の増益となった。関税影響でも781億円の増益となっている。売価/コスト影響は、原材料価格の高騰などによる552億円の減益を、価格改定による519億円の増益でカバーし33億円の減益に抑えた。

2026年度第1四半期の営業利益増減要因 2026年度第1四半期の営業利益増減要因[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 2026年度のグループ販売台数見通しは、2026年5月の前回発表から変更せず、二輪事業が2280万台、四輪事業が339万台、パワープロダクツ事業が365万台を維持した。一方、2026年度の連結業績見通しについては、売上高が前回発表比1兆円増の24兆1500億円、営業利益が同1500億円増の6500億円、税引前利益が同1600億円増の6600億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同1400億円増の4000億円に上方修正した。

2026年度通期の連結業績見通し 2026年度通期の連結業績見通し[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 この上方修正も為替影響によるもので、営業利益増減要因では為替影響が1700億円の増益要因となっている。為替レートの前提は1米ドル=155円で、第1四半期は1米ドル=159円だった。また、EV関連損失も為替影響で拡大し、前回発表の5000億円から5200億円に拡大する見通しだ。

ダンパーなどの欠品で埼玉製作所や鈴鹿製作所が生産休止へ

 なお、令和8年熊本地震の影響で、二輪車やパワープロダクツなどを製造する熊本製作所(熊本県大津町)と、四輪車を製造する埼玉製作所(埼玉県寄居町、小川町)と鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)、ホンダオートボディー(三重県四日市市)が稼働を停止している。

令和8年熊本地震によるホンダの主要生産拠点への影響 令和8年熊本地震によるホンダの主要生産拠点への影響[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 熊本製作所は、地震によってスプリンクラーが作動した影響や設備の状況確認のため全面的に稼働を停止していたが、2026年8月5日から復旧のめどが立った一部工程の稼働を再開している。ただし同年8月7日までは基本的に生産休止の状態だ。

 埼玉製作所と鈴鹿製作所、ホンダオートボディーは取引先の部品欠品の影響により稼働を停止する。生産を休止するのは、埼玉製作所が8月5〜19日、鈴鹿製作所とホンダオートボディーが8月6〜19日(8月6〜16日は夏季休暇で当初から稼働を予定していない)。川口氏は「ホンダのグループ会社であるAstemoの子会社のAstemo宇城(熊本県宇城市)が、震度7を記録した宇城市にあり大きな影響を受けた。ダンパーを中心に部品が欠品している」と説明する。

 現時点の計画で生産休止日数は、熊本製作所が9日間、埼玉製作所が6日間、鈴鹿製作所とホンダオートボディーが5日間となっている。今後の稼働再開は適宜状況を見て判断するという。

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