ホンダが2024年度連結業績と2025年度連結業績見通しについて説明。北米におけるEV市場の成長鈍化を受けて、カナダにおけるEVの包括的バリューチェーン構築に向けた大型投資を延期することも明らかにした。
ホンダは2025年5月13日、オンラインで会見を開き、2024年度(2025年3月期)連結業績と2025年度連結業績見通しについて説明した。また、北米におけるEV(電気自動車)市場の成長鈍化を受けて、2024年4月に発表したカナダにおけるEVの包括的バリューチェーン構築に向けた大型投資を延期することを明らかにした。
ホンダの2024年度の連結販売台数は、二輪事業が前年度比9.3%増の1368万5000台、四輪事業が同9.6%減の284万台、パワープロダクツ事業が同2.9%減の370万台となった。二輪事業は全地域が増加する中で特にアジアが成長をけん引した。四輪事業は、中国を含めたアジアの減少が著しく日本と北米の増加ではカバーできなかった。パワープロダクツ事業も欧州での減少が響き前年度割れとなった。
2024年度の連結業績は、売上高が前年度比6.2%増の21兆6887億円、営業利益が同12.2%減の1兆2134億円、税引き前利益が同19.8%減の1兆3176億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同24.5%減の8358億円となった。営業利益の大幅な減益となったのは、四輪車の主要な生産拠点の製品販売分について製品保証引当金の測定方法を、製品を販売した時点で包括的に測定する方法に変更したためだ。このための一過性費用を除いた営業利益は1兆3410億円となり前年度とほぼ同等水準の3%減となる。
2025年度の連結販売台数は、二輪事業が前年度比4.1%増の1425万台、四輪車事業が同0.4%減の283万台、パワープロダクツ事業が同0.8%減の367万台となる見通しを示した。二輪事業はアジアが引き続き好調でさらに販売台数を伸ばすものの、四輪事業が中国を含めたアジアで、パワープロダクツ事業が北米で減少する見込みである。ただし、四輪事業については、中国での減販台数が2024年度の39万9000台から2025年度は8万7000台まで圧縮されるとしている。
2025年度の連結業績は、売上高が前年度比6.4%減の20兆3000億円、営業利益が同58.8%減の5000億円、税引き前利益が同62.8%減の4900億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同70.1%減の2500億円となる見通しだ。売上高の減少は、期中の為替レートを2024年度の153円から135円という18円もの円高で想定していることによるところが大きい。そして60%近くも営業利益の減少は、為替影響による4520億円、関税影響による6500億円のマイナスによるところが大きい。二輪車の販売台数増や北米市場でのHEV(ハイブリッド車)の拡販などで利益を積み増すものの、為替と関税の影響を打ち消すまでには至っていない。
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