AGCが増収増益、中東リスクの影響は軽微製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

AGCは、2026年12月期第2四半期の決算で、前年同期比で増収増益を達成したと発表した。円安効果に加え、東南アジアでの化学品事業などが業績をけん引した。

» 2026年08月10日 06時00分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 AGCは2026年8月4日、オンラインで記者会見を開き、2026年12月期の第2四半期(1〜6月)業績や中東情勢の影響を発表した。

化学品セグメントは増収増益

 2026年12月期第2四半期におけるAGCの売上高は前年同期比1051億円増の1兆1006億円で、営業利益は同106億円増の647億円となった。親会社の所有者に帰属する当期純利益は同216億円増の355億円を記録した。

2026年12月期の第2四半期業績 2026年12月期の第2四半期業績[クリックで拡大] 出所:AGC

 AGC 専務執行役員 最高財務責任者(CFO)の竹川善雄氏は「売上高は、円安効果に加え、エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業やインテグレイテッドケミカルズ事業、電子部材事業の出荷数量増、インテグレイテッドケミカルズ事業や欧州建築ガラス事業の価格政策が貢献した。営業利益は、この増収要因に加え、ライフサイエンスの損益改善が寄与している」と話す。

 セグメント別では、建築ガラスセグメントの売上高は同185億円増の2293億円で、営業利益は同55億円増の88億円となった。同セグメントにおける売上高の内訳は、アジア地域での事業が同5億円増の712億円で、欧米地域での事業が同186億円増の1574億円、セグメント間が同6億円減の8億円となった。

建築ガラスセグメントの売上高 建築ガラスセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 同セグメントの売上高に関しては、円安による増収効果があった。アジア地域での事業は日本で出荷数量が減少したが、東南アジアでは出荷数量が増えた一方、販売価格は下落した。欧米では出荷が減少したものの、欧州での価格政策が寄与した。

 オートモーティブセグメントの売上高は同246億円増の2803億円で、営業利益は同18億円減の133億円となった。同セグメントの売上高に関して、円安による増収効果があった他、中東向け自動車輸出減少の影響は軽微だった。日本、欧州、北米で同セグメントの製品の販売数量が増加し、品種構成も改善した。営業利益は、欧米における製造コスト上昇の影響を受けた。

オートモーティブセグメントの売上高 オートモーティブセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 電子セグメントの売上高は同62億円増の1744億円で、営業利益は同57億円減の187億円を記録した。同セグメントにおける売上高の内訳は、ディスプレイ事業が前年同期とほぼ同等の900億円で、電子部材事業が同59億円増の831億円、セグメント間が同3億円増の12億円となった。営業利益は同57億円減の187億円だった。

電子セグメントの売上高 電子セグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 ディスプレイ事業では、液晶ディスプレイ用ガラス基板の販売価格が上昇し、事業撤退を決定している化学強化用特殊ガラスの出荷が減少した。電子部材事業では、極端紫外線(EUV)露光用フォトマスクブランクスの出荷数量は回復途上だが、その他の半導体関連部材とオプトエレクトロニクスの出荷数量は増加し、増収となった。円安も寄与した。

 化学品セグメントの売上高は同462億円増の3320億円で、営業利益は同56億円増の282億円を記録した。同セグメントにおける売上高の内訳は、インテグレイテッドケミカルズ事業が同198億円増の1656億円で、エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業が同277億円増の1656億円、セグメント間が同14億円減の8億円となった。両事業では円安による増収効果があった。

化学品セグメントの売上高 化学品セグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 インテグレイテッドケミカルズ事業では、販売価格の上昇に加え、半導体などエレクトロニクス向け製品などの出荷数量が増加した。エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業では、タイの設備増強により出荷数量が増えた。

 ライフサイエンスセグメントの売上高は同88億円増の723億円だった。同セグメントにおける売上高の内訳は、ライフサイエンス事業が同95億円増の712億円で、セグメント間は同7億円減の11億円となった。営業利益は同59億円の改善となったが、61億円の営業損失だった。売上高に関しては、合成医農薬開発製造受託(CDMO)の受託減少があったが、円安による増収効果やバイオ医薬品CDMOの受託増加があり、増収した。営業利益については、バイオ医薬品CDMOで、コロラド拠点閉鎖などによる固定費削減やコペンハーゲン拠点の受託増加、生産性改善が増益に貢献した。

ライフサイエンスセグメントの売上高 ライフサイエンスセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC
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