アドバンスコンポジットは、熱伝導率580W/m・Kという高い放熱性能と、低い熱膨張率を両立したグラファイトアルミ複合素材「ACM-H6」を開発した。
アドバンスコンポジットは、「第5回ネプコンジャパン[秋]-エレクトロニクス開発・実装展-(ネプコンジャパン[秋]2026)」(会期:2026年9月9〜11日、会場:幕張メッセ)内の「第5回電子部品・材料EXPO[秋]」に出展し、グラファイトアルミ複合素材「ACM-H6」を披露した。
ACM-H6は、溶湯鍛造法で多孔質グラファイトにアルミを含浸する技術を用いて、熱伝導率580W/m・Kを実現した材料だ。同材料の密度は2.30g/cm3で、熱膨張率はX方向で2.9/Y方向で22.0ppm/K、比熱は0.76J/g・Kとなる。製造サイズは80×80×30mmで、表面処理は無電解ニッケルメッキに対応している。
同社の説明員は「熱伝導率が高いだけでなく、熱膨張率をかなり小さく抑えられる。これが特徴だ。一般的に、こうした材料は熱伝導が高いと熱膨張が大きくなる。この問題を解消した製品がACM-H6となる。当社は、特殊な鋳造方法でグラファイトとアルミを複合化することによって、特殊な物性を出せる。これにより、高い熱伝導率と低い熱膨張率を実現した」と語った。
用途としては、パワー半導体、CPU/GPUの発熱拡散板、SiC(シリコンカーバイド)モジュール周辺のヒートスプレッダ、LED、レーザー、通信機器、電源ユニットの放熱ベースプレートを想定している。
「特殊な製造方法で生産する素材であるため、従来の放熱材料と比較してコストは高い。しかし、それでもACM-H6を使いたいという企業が少なからずある。ハイエンドな製品において、ACM-H6でしか要求仕様を満たせない部分で使用してほしい」と同社の説明員は述べた。
量産性の課題として、同社の説明員は「鋳造で複合材のブロックを製造した後、切り出して加工するため、ワンショットのサイクルが速いわけではない。これは課題だ」と触れた。
なお、2025年時点で熱伝導率800W/m・Kの実現も視野に入っており、これに向けて研究/開発を進めているという。
高い熱伝導性と絶縁性能を備えた樹脂セラミック複合材料を開発
粘土状で熱伝導! 接着剤不要で高効率に放熱するTIM材
放熱部材の世界市場調査、2027年に43億5700万ドルになると予測
パワー半導体向けシート状接合材料を開発 対応チップサイズ20mm角で鉛フリー
パワー半導体の熱設計問題を解消する次世代TIM材 構造と性能で放熱!Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
素材/化学の記事ランキング
コーナーリンク