住友化学は、超低屈折率の透明薄膜を形成できる塗工液の開発に成功した。この塗工液は、可視光領域において高い透過率を有するとともに、300℃の優れた耐熱性と、高い耐溶剤性も兼ね備えている。
住友化学は2026年9月24日、超低屈折率の透明薄膜を形成できる塗工液の開発に成功したと発表した。多様な光学設計ニーズに応える次世代光学デバイス向け材料として、特に相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーの集光部や光電融合デバイスの光接続部への応用を中心に幅広く展開を進める考えだ。
近年、CMOSイメージセンサーなどの光学センシング、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの次世代ディスプレイ、光電融合の展開が進む次世代半導体といった光学デバイス分野では、光学設計の高度化に伴い、材料の屈折率を利用して光を精密に制御することの重要性が高まっている。
中でも、光の利用効率を高めるために材料間の屈折率差の制御が可能な超低屈折率材料が必要とされている。さらに、メタレンズのような次世代光学素子における光の位相/反射の制御などでは、極限まで屈折率を低減した超低屈折率材料が求められている。
メタレンズとは、高屈折率材料の微細な柱状構造を並べ、その間を低屈折率材料で埋めた平面型レンズだ。従来のレンズと比較し大幅な薄型化が可能であり、光電融合などへの応用が期待される次世代技術とされている。
こうした状況を踏まえて住友化学は、ディスプレイ向けをはじめとする光学材料事業を通じて、高屈折率から低屈折率まで幅広いレンジの樹脂塗工液を開発し、ラインアップしてきた。そこで、培った高度な樹脂設計技術を基盤に超低屈折率材料の開発に取り組んだ結果、このたび実用レベルで世界トップクラスの屈折率1.06を達成する新規塗工液の開発に成功した。
今回の塗工液は、スピンコート法などを用いて基材上へ塗布し、加熱やUV照射により薄膜を形成することが可能だ。得られる膜は、ナノレベルの細孔が均一に分散した構造を有しており、塗工液の組成や成膜条件の調整により、波長550nmにおける屈折率を1.06から1.36の範囲で制御できる。また、可視光領域において高い透過率を有するとともに、300℃の優れた耐熱性と、高い耐溶剤性も兼ね備えている。膜厚は用途に応じて制御が可能だ。
同社は2026年中にこの開発品のサンプル提供開始を予定している。
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