太陽ホールディングスは、高い放熱性と絶縁性を両立したパワー半導体向けの放熱ペースト材料「HSP-10 HC3W」を開発した。
太陽ホールディングスは2025年5月20日、東京都内とオンラインで「事業戦略発表会2025」を開き、パワー半導体向けの放熱ペースト材料「HSP-10 HC3W」を開発したと公表した。同材料は、太陽ホールディングスが2024年4月に埼玉県嵐山町の嵐山事業所内で開設した技術開発センター「InnoValley(イノヴァリー)」発の材料が初めて製品化されたものだ。
近年、エレクトロニクス製品の高性能化に伴い、搭載されるパワー半導体の微細化や高出力化が進み、熱設計の課題解決が難しくなっている。パワー半導体の放熱では、ヒートシンクなど、表面積が大きい金属を使用するとともに、半導体チップとヒートシンクの間に、熱を効率よく逃がすために熱伝導材料「サーマルインタフェースマテリアル(TIM)材」が取り付けられている。TIM材は、パワー半導体の実装基板と接触するため放熱性に加え絶縁性も求められる他、基板への塗工工程は実装メーカーが担う。
一方、TIM材は熱可塑性樹脂を利用しているため、高温環境での長期間使用では劣化が進行し、放熱性が低下する。TIM材でパワー半導体とヒートシンクを接続した場合には、パワー半導体に高電流が流れることで生じるジュール熱が基板にこもりやすい構造にもなり、基板や周辺部品の寿命短縮や故障の原因になる。TIM材には熱をよく伝導するフィラーが多く含まれているため、表面が粗くなってしまう。その結果、TIM材塗膜とヒートシンクの接触面積が減少し、熱抵抗が高くなり放熱性がダウンする。
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