日本の化学産業に大きな転換点が訪れている。三菱ケミカルは、石油化学事業を主体とする基礎化学品事業の分社化に向けた検討を開始した。
三菱ケミカルグループは2026年5月25日、同社の連結子会社である三菱ケミカルが、次世代の石油化学事業に向けた事業基盤の再設計のため、将来的な他社との統合/再編を見据えた石油化学事業を主体とする基礎化学品事業の分社化に向けた検討を開始したと発表した。
同グループは、2024年11月に発表した経営ビジョン「KAITEKI Vision 35」において、社会課題に最適なソリューションを提供し続ける「グリーン・スペシャリティ企業」を目指すことを掲げている。このビジョンを基軸とし、同社は注力事業領域の1つであるグリーン・ケミカルの安定供給基盤の構築を通じて、化学産業のさらなるグリーン化をグローバルにけん引していくことを目指している。
一方で、日本国内外における需要構造の変化や、海外、特に東アジアでの競争力低下を背景に、石油化学事業を取り巻く経営環境は一段と厳しさを増している。こうした中でも、日本の産業と一般消費者の暮らしを支えるためには、基礎化学品の安定供給とさらなる高付加価値化を通じて、サプライチェーンを強靭化し、日本の産業競争力に貢献し続けることが求められている。
特に、昨今の中東情勢の影響も踏まえ、基礎化学品の安定した生産と流通により国内のサプライチェーンを支えるため、化学産業が果たすべき役割は一層重要になっている。この社会的要請に応えるためには、石油化学事業の技術力、資金力、社会的信頼といった事業基盤そのものを、より強固なものに変革する必要がある。そのためには、業界全体を視野に入れた再編や、他社との統合といった改革が必要だと同社は判断し、次世代の事業基盤の再設計に向けた積極的な戦略として、石油化学事業の分社化検討を開始した。
将来的な統合/再編を見据えたこの分社化検討を通じて、同社は石油化学事業の競争力を一層強化し、国内のサプライチェーンの強靭化、ならびに日本の経済安全保障に貢献し、責任を持ってこれを遂行し続けていく体制の構築を目指すという。さらに、この事業基盤に基づき、日本の化学産業のさらなるグリーン化をけん引する。
具体的には、同社のベーシックマテリアルズに属する基礎化学品事業を中心に検討を進めていく。ただし、今後の検討を通じて対象が変わる可能性がある。なお、2027年度中の分社化実行に向けて詳細を検討していく。
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