富士経済は、放熱部材の世界市場に関する調査結果をまとめた「2023年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」を発表した。2027年の放熱部材の世界市場について、2022年比47.6%増の43億5700万ドルになると予測している。
富士経済は2023年7月21日、放熱部材の世界市場に関する調査結果をまとめた「2023年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」を発表した。
同調査では、放熱部材18品目、原料となる放熱フィラー5品目、放熱部材として有望な製品6品目の将来性などを分析した。2027年の放熱部材の世界市場について、2022年比47.6%増の43億5700万ドル(約6149億6876万円)になると予測している。
放熱部材については、放熱シートや放熱接着剤などのThermal Interface Material(TIM)、放熱基板、放熱絶縁板、その他グラファイトシートなどの放熱部材を調査対象とした。
発熱体と放熱体の間に挟んで熱を伝えるTIMは、シート状の放熱シートと液状の放熱ギャップフィラーが市場をけん引している。自動車分野や通信分野で、熱伝導率の高い製品の需要が高まっていることから、2027年のTIM市場は、放熱シートが2022年比26.6%増の4億4300万ドル(約625億2723万円)に、放熱ギャップフィラーが2022年比2.2倍の4億9700万ドル(約701億4906万円)に伸びる見込みだ。
放熱基板では、耐熱衝撃抵抗性に優れ、パワーモジュールの高出力化や小型化を可能とする窒化ケイ素ベース回路基板の需要が拡大している。日本に加え、北米や欧州、中国で採用が増えていることや、メーカーも生産を増強していることから、2027年には2022年比3.5倍の6億3500万ドル(約896億2707万円)になると推計されている。
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