AI向け半導体の大型化とチップレット化に伴い、従来の樹脂基板では「反り」や「局所発熱」の課題が生じている。日本特殊陶業は「ネプコンジャパン[秋]2026」で、これらの課題を解決する次世代セラミック基板を披露した。
日本特殊陶業は、「第5回ネプコンジャパン[秋]-エレクトロニクス開発・実装展-(ネプコンジャパン[秋]2026)」(会期:2026年9月9〜11日、会場:幕張メッセ)内の「第5回電子部品・材料EXPO[秋]」に出展し、開発中の「透光性アルミナ基板」「大型窒化アルミニウム基板」「光電融合コパッケージ(CPO)用セラミック基板」を紹介した。
AI(人工知能)向け半導体の巨大化/チップレット化に伴い、従来の樹脂基板や有機パッケージでは解決困難な「熱膨張差(CTEミスマッチ)による基板の反り」と「膨大な局所発熱」が課題となっている。
そこで同社は、長年の研究/開発で培ったセラミックの低熱膨張/高放熱特性に関する技術を、プロセスキャリアやインターポーザ、コア部材に適用し、次世代先端プロセスの歩留まり向上と実装信頼性を支える製品として、透光性アルミナ基板と大型窒化アルミニウム基板の開発を進めている。
日本特殊陶業の説明員は「当社が先進的なセラミック基板を開発できる背景には、約60年にわたり、セラミックの『焼成(焼き固め)』や『多層化』の技術蓄積がある」と話す。
同社の透光性アルミナ基板は、300mm角以上の大型パネルに対応する。優れた紫外線透過性と、過酷なプロセスに耐える熱安定性も備えている。高い耐薬品性や剛性によりプロセスの安定化にも貢献する。透光性に加えて、高放熱性を備えたタイプも開発中だ。
大型窒化アルミニウム基板は、大型ウエハーサイズである直径300mmに対応する。放熱性は170W/(m・K)で、アルミナを上回る。熱膨張係数は4.9でシリコンに近い。高信頼/高出力デバイス向けの安定基板だ。
同社は、産業技術総合研究所(産総研)のコンソーシアム「次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会(GDC協議会)」に参画している。同協議会の光電コパッケージ技術検討部会が進める、CPOの実現に向けたアクティブオプティカルパッケージ(AOP)のコンセプトモデル試作に、高剛性/高信頼性のセラミックパッケージを提供した。
CPO用セラミック基板の構造は、アクティブなシリコンフォトニクスICをパッケージ基板に埋め込んでいる他、ポリマー光導波路による光ファンアウトとした。さらに、マイクロミラーによりシリコンフォトニクスICと光導波路を結合している。これらの特徴により、低コスト、大量生産への適応性、検査容易性を実現した。
同基板を用いたセラミックパッケージは、低CTEと高剛性でシリコンフォトニクスICの実装信頼性を確保している。加えて、低CTEと高剛性を生かし、シリコンフォトニクスIC、マイクロミラー、ポリマー導波路、光コネクター間の光学アライメントずれを抑えられる。
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