王子ホールディングスは、次世代半導体製造(A14世代)に向けた木質バイオマス由来のフォトレジストで、幅10nmの直線パターン形成に成功した。
王子ホールディングスは2026年9月4日、木質バイオマスを原料とする最先端半導体向けのフォトレジスト(以下、木質バイオマスレジスト)について、次世代半導体製造技術であるHigh-NA(開口数0.55)EUVリソグラフィを用いた評価で、プロセスノードA14を想定した微細パターン形成を確認したと発表した。
High-NA EUVリソグラフィは、極端紫外線(EUV)と呼ばれる非常に短い波長の光を用いて半導体回路を形成するための次世代露光技術で、従来のNA(開口数0.33)よりも高い解像度を実現し、より微細なパターンを形成できる。
プロセスノードとは、半導体の製造世代(微細化レベル)を示す指標で、A14世代は、2028年以降の先端ロジック半導体世代を指し、約10nm幅に対応する技術が求められている。
近年、AI(人工知能)やデータセンター、高性能コンピューティング(HPC)の急速な普及に伴い、半導体デバイスにはさらなる高性能化と低消費電力化が必要とされている。その実現に向けて回路の微細化が進む中、High-NA EUVリソグラフィは次世代半導体製造を支える中核技術として期待されている。
同社は、2024年にEUVリソグラフィに対応した木質バイオマスレジストを開発した。さらに事業化を見据え、2025年から半導体分野における世界有数の研究開発/イノベーション拠点であるimecとの共同研究を開始している。
同レジストは、木質バイオマス由来材料を使用し、国内外で規制が進むPFAS(有機フッ素化合物)を使用することなく、高い保存安定性およびプロセス安定性と、優れた微細パターン形成性能を両立させた環境配慮型の次世代フォトレジストだ。
今回、imecとの共同研究において、幅10nmの直線パターンと直径16nmのホールパターンの形成を確認した。この成果は、王子ホールディングスが開発する木質バイオマスレジストの先端半導体製造プロセスへの適用可能性を示すものであり、A14世代をはじめとする次世代半導体向け材料としての有望性を裏付ける重要な成果だという。
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