王子ホールディングスは、「第18回 オートモーティブワールド-クルマの先端技術展-」で、セルロースを補強繊維とした減プラ素材「タフセルペレット」、生分解性を備えた繊維強化素材「リソイルグリーン」、環境に配慮したセルロース複合材「パルプラス」を紹介した。
王子ホールディングスは、「第18回 オートモーティブワールド-クルマの先端技術展-」(会期:2026年1月21〜23日、会場:東京ビッグサイト)内の「第2回 クルマのサステナブル技術展(SuM-TEC)」に出展し、セルロースを補強繊維とした減プラ素材「タフセルペレット」、生分解性を備えた繊維強化素材「リソイルグリーン」、環境に配慮したセルロース複合材「パルプラス」を披露した。
タフセルペレットは、セルロース繊維(パルプ繊維)をポリプロピレン(PP)に配合したプラスチックだ。同製品は、王子グループ独自の技術により、セルロース繊維とPPが均一に分散されているため、射出成形加工により、高い剛性と耐衝撃性を両立したセルロース樹脂成形体を作製できる。
さらに、従来の設備や金型を使用してセルロース繊維とPPを組み合わせた製品を製造可能で、複雑な形状の金型にも対応する。セルロース繊維へのダメージが少なく、従来のペレットの白色を生かして、明るい色の成形品の作製や着色なども行える。
王子ホールディングスの説明員は「一般的に繊維強化プラスチックの材料にはガラス繊維が使われることが多い。一方、当社はパルプ繊維を基に紙を製造していることもあり、この繊維を調達でき、加工技術も有している。これらの利点を生かす目的で、パルプ繊維を用いた繊維強化プラスチックとしてタフセルペレットの開発をスタートした」と振り返った。
加えて、「PPに木粉を配合した繊維強化プラスチックを展開している企業もある。しかし、PPに木粉を配合した繊維強化プラスチックは、200℃ほどで射出成形を行うと、揮発性有機化合物(VOC)であるアセトアルデヒドが発生する。タフセルペレットは、原料となる木質パルプを厳選し、アセトアルデヒド発生量を一般的な木粉に比べ80%以上削減可能な木質パルプを使用している」と述べた。
現在はサンプルワークの段階だ。「自動車内装材での展開に向けて研究を進めている」(王子ホールディングスの説明員)。
リソイルグリーンは、セルロース繊維とポリブチレンサクシネート(PBS)などの生分解性プラスチックを組み合わせた環境配慮型繊維強化プラスチックとなる。王子ホールディングスの説明員は「PBSは土壌分解性を有しているが、強度面で課題があった。そのため、リソイルグリーンでは、セルロースを配合することで屋外での使用に耐え得る高い強度を実現した。広く使用されているポリ乳酸(PLA)はコンポスト分解であるのに対し、リソイルグリーンは100%土壌分解性を備えている」と語った。
同製品は射出成形用で、熱収縮が少なくタクトタイムを短縮できる。金型にもやさしく傷めないという。用途としては、農業用ペグ、樹木札、飲食店やキャンプで使用する食器、ゴルフティー、ガーデニング用品、レジャー用品を想定している。
パルプラスは、王子グループのフィルム製造工程で発生するロスフィルムを回収/再生処理したリサイクルPPとセルロース繊維を混錬し、ペレット化したものだ。同製品は、スチレンフリーでありながら、剛性はポリスチレン(PS)とアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂と同等のレベルを実現した。用途としては、ブロック玩具やリップケース、クリームジャー、コンパクトケースを想定している。
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