不連続×連続繊維の熱可塑性ハイブリッド複合材、高い弾性率と賦形性を両立材料技術

東洋紡エムシーとその完全子会社であるユウホウ、東洋紡グループの東洋紡せんいは共同で、各社が有する連続繊維複合材料と不連続繊維複合材料を組み合わせた「熱可塑性ハイブリッド複合材料」を開発した。

» 2026年03月10日 06時00分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 東洋紡エムシーは2026年3月5日、完全子会社であるユウホウと東洋紡グループの東洋紡せんいと共同で、各社が有する連続繊維複合材料と不連続繊維複合材料を組み合わせた「熱可塑性ハイブリッド複合材料」を開発したと発表した。

自動車や土木/建築の用途などで展開

 東洋紡エムシー、ユウホウ、東洋紡せんいは、それぞれ熱可塑性の繊維強化材料を提供している。東洋紡エムシーはガラス繊維と熱可塑性樹脂を組み合わせた熱可塑性スタンパブルシート「クイックフォーム」、ユウホウは炭素繊維と熱可塑性繊維から成る炭素繊維不織布「疾風‐HAYATE‐」、東洋紡せんいはガラス繊維と熱可塑性繊維で構成される熱可塑性ガラス繊維複合糸「GfCyarn」に加えて、炭素繊維と熱可塑性繊維を活用した熱可塑性炭素繊維複合糸「CfCyarn」を展開している。

3社の熱可塑性繊維強化材料の特徴 3社の熱可塑性繊維強化材料の特徴[クリックで拡大] 出所:東洋紡エムシー

 クイックフォームと疾風‐HAYATE‐は不連続繊維を用いた複合材料で、GfCyarnとCfCyarnは連続繊維を用いた複合糸だ。一般的に、不連続繊維を用いた複合材料は賦形性は高いものの弾性率に課題がある。一方、連続繊維を用いた複合材料は高弾性率を発現するが複雑形状の成形が難しい。賦形性とは、材料を金型に沿わせて、目的通りに複雑な形状を成形できる特性を指す。

 そこで東洋紡エムシー、ユウホウ、東洋紡せんいは、これらの製品を組み合わせることで高い弾性率と賦形性を両立した製品開発が可能であると考え、検討を重ね、熱可塑性ハイブリッド複合材料を開発した。

 熱可塑性ハイブリッド複合材料は開発品として、クイックフォームとGfCyarnを組み合わせたものに加えて、疾風‐HAYATE‐とCfCyarnで構成されるものを用意している。

 クイックフォームとGfCyarnを組み合わせた開発品は、クイックフォームと比べて、曲げ弾性率が2.2倍に向上した。疾風‐HAYATE‐とCfCyarnで構成される開発品は、疾風‐HAYATE‐と比較して、曲げ弾性率が1.5倍高い。

 今後は、自動車、土木/建築の用途などで両開発品の展開を想定している。

疾風‐HAYATE‐とCfCyarnで構成される成形品(左)と曲げ弾性率の比較(右) 疾風‐HAYATE‐とCfCyarnで構成される成形品(左)と曲げ弾性率の比較(右)[クリックで拡大] 出所:東洋紡エムシー

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