今回は、0から9までカウントして、9の次で0に戻る「10進同期カウンタ回路」を前回と同様に“カルノー図”を用いて作成する。
前回の宿題【問題19】は、「10進同期カウンタを作成する」という問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
“10進カウンタ”とは「0、1、2、……」と9までカウントして、9の次で0に戻るカウンタのことです。
それでは、【問題17】の解説に倣って同期式10進カウンタを作ってみましょう。
「9」は2進数で「1001」なので、10進カウンタには4個のフリップフロップが必要です。表1に10進カウンタの真理値表を示します。
続いて、カルノー図を以下に示します(図1)。結果が“×”のところは“0”または“1”と決められていません。つまり、回路を簡単化するための「まとまり」に含めても含めなくてもよいということです。
すると次のような論理式、
D0 = Q0
D1 = Q3 ・ Q1 ・ Q0 + Q1 ・ Q0
D2 = Q2 ・ Q1 ・ Q0 + Q2 ・ Q1 + Q2 ・ Q0
D3 = Q3 ・ Q1 ・ Q0 + Q2 ・ Q1 ・ Q0
が求められます。
以上から、同期式10進カウンタの回路は図2のようになります。
電源投入時に「フリップフロップ状態が“0”であるか“1”であるか」は分かりません。従って、図2の10進カウンタでは0から9以外の値を取る可能性があり、そのときのカウンタの動作は保証されていません。そこで図2では、カウント値を0にするリセット入力RESを設けました。
デジタル回路の初期状態を保証するために、電源投入時にリセット信号を入力し、回路を初期化します。これを“パワーオン・リセット”と呼びます。
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