真理値表から論理式を導く方法を用いて、ビットを加算する最も基本的な加算器である「半加算器(Half Adder)」の回路を作成します。
前回の宿題【問題8】は、真理値表を基に2進数の1けたを加算する回路を作る問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
【問題8】はビットを加算する最も基本的な加算器、すなわち半加算器(Half Adder)を作る問題です。
今回も【問題7】の解説で説明した真理値表から論理式を導く方法を用いて、【問題8】のデジタル回路を作成していきます。
図1のようにAとBの和S(sum)と、けた上がりC(carry)が“1”になるところに注目して、
S = A ・ B + A ・ B
C = A ・ B
と論理式を求めます。
そして、この論理式を回路で表現すると図2のようになります。
以上でビットの加算回路が完成しました。
では、nビットの加算回路はどのように作ると思いますか?
図3をご覧ください。【問題2】の解説のとおり、2進数の加算では“けた上げ(carry)”を考慮する必要があります。そこで図3の加算回路では、下のけたからのキャリー入力Cinと、上のけたへのキャリー出力Coutを持った全加算器(Full Adder)を使っています。
この全加算器の論理式は、表1の真理値表から、
S = A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin
Cout = A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin + A ・ B ・ Cin
と求められます。ここから導き出されるゲート回路は少し複雑なものになりますが、図4のように2つの半加算器HAを組み合わせて作ることができます。
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