今回は、2進数の「加算」「減算」「乗算」を行ううえで、ポイントとなる“けた上げ”“けた借り”などについて詳しく解説します。
前回の宿題【問題2】は、2進数の加算・減算・乗算の問題でした。皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
それでは、「(1011)2 + (110)2 = ?」の求め方について解説します。
図1を見てください。2進数の加算は10進数の場合と同様に下のけたから計算を行います。
まず、1のけたは1 + 0 = 「1」となります。
次に、2のけたは1 + 1 = 「2」。つまり、(10)2となります。従って、“けた上げ(carry)”が生じ、2のけたは「0」となります。
続いて、4のけたを計算します。ここでは、先ほどのけた上げを含めて加算します。つまり、1 + 0 + 1 = 2 = (10)2です。さらに、ここでもけた上げが生じ、4のけたは「0」となります。
最後に、8のけたを計算します。先ほどのけた上げがあるので1 + 1 = 2 = (10)2となり、答えは「(10001)2」と求められます。
続いて、「(1011)2 − (110)2 = ?」の求め方について解説します。
図2を見てください。2進数の減算も10進数の場合と同様に下のけたから計算を行います。
まず、1のけたは1 − 0 = 「1」となります。
次に、2のけたは1 − 1 = 「0」となります。
続いて、4のけたを計算します。この場合、0から1を引くことができないので、8のけたから“けた借り(borrow)”をします。従って、8のけたの被減数は「0」となり、4のけたは2 − 1 = 「1」となります。よって答えは「(101)2」と求められます。
最後に、「(1011)2 × (110)2 = ?」の求め方について解説します。
図3を見てください。2進数の乗算は、10進数での乗算方法と同様に行います。
まず、被乗数を1のけたの乗数で掛けます。乗数の1のけたは0なので、その値は(0000)2となります(この場合、(0000)2なので省略しても構いません)。
次に、被乗数を2のけたの乗数で掛けます。乗数の2のけたは1なので、その値は(1011)2ですが、10進数の場合と同じように1けたずらしておきます。
続いて、被乗数を4のけたの乗数で掛けます。ここでも乗数は1なので、被乗数をさらに1けたずらしておきます。
最後に、これらを足し合わせ「(1000010)2」と求められます。
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