【問題17】 非同期カウンタと同期カウンタ完全マスター! 電子回路ドリル II(19)

今回は、数をカウントする“カウンタ回路”について解説します。この回路を応用すれば、時計やストップウオッチが作れるかも!?

» 2008年05月29日 00時00分 公開
[横田一弘 埼玉県立新座総合技術高等学校 教諭,@IT MONOist]

【問題16】の解答

 前回の宿題【問題16】は、D-FFの回路を基に「タイムチャート」を作成するという問題でした。

 皆さん解けましたでしょうか?

 解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。

 それでは、解答を発表します!


問題16

答え.

答え


【問題16】の解説

 【問題16】の回路は「カウンタ(counter)」と呼ばれるもので、数を数えることができます。そして、この回路は図1のようにD-FFを順次接続した構成になっています。まずは、この回路機能について解説します。

カウンタ要素 図1 カウンタ要素

 図1の回路は、D-FFの入力Dと反転出力Qを接続しているのが特徴です。D-FFはクロックCLKの立ち下がりで反転した値を保持します。

 図2にそのタイムチャートを示します。図2の赤線のように、D-FFはCLKの立ち下がりでQを保持、すなわちQを反転させます。

カウンタ要素(図1)のタイムチャート 図2 カウンタ要素(図1)のタイムチャート

 それでは、この回路を順次接続した【問題16】の回路は、どのように動くのでしょうか? その動作について以下に示します。

  • 1段目のD-FFは、CLKの立ち下がりで反転
  • 2段目のD-FFのクロック端子は、1段目のD-FFの出力なので、X0の立ち下がりで反転
  • 3段目のD-FFのクロック端子は、2段目のD-FFの出力なので、X1の立ち下がりで反転

 以上の動作をタイムチャートで表すと、図3のようになります。

カウンタ回路の動き 図3 カウンタ回路の動き

 【問題16】の回路は、なぜ“カウンタ”と呼べるのでしょうか?

 それは出力(X2、X1、X0)の値を2進数に対応させることで理解できます。表1を見てください。クロックが1つ入るたびに出力が1ずつ増加しているのが分かります。

カウンタ回路の動作 表1 カウンタ回路の動作

 この回路を応用すれば、時計やストップウオッチが作れそうですね。

次回までの宿題 ― 【問題17】

問題17

【問題16】のカウンタ回路は前のけたのD-FFの出力により、次のけたのD-FFが動作する構成になっているため、上位のけたのD-FFの動作が遅れてしまいます。【問題15】のシフトレジスタのように、すべてのD-FFがクロックに同期している3ビットカウンタを作ってください


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