基本論理演算「AND」「OR」「NOT」を組み合わせれば、どんな論理演算も実現できる。今回は論理式からゲート回路を描くまでを解説。
前回の宿題【問題6】は、論理式からゲート回路を描くという問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
「真(true)」「偽(false)」の2値を取り扱う数学を“ブール代数(boolean algebra)”と呼びますが、「デジタル回路をいかに構成するか?」について考える際、このブール代数の考え方が大変有効なものになります。このことから、ブール代数は論理回路設計の基礎になっています。
デジタル回路の信号では“0”か“1”のどちらか1つの値しか取らないので、これを“論理変数”とします。そして、この論理変数による演算を“論理演算”といいます。
次に、基本論理演算「AND」「OR」「NOT」について解説します。
図1の論理式のように、AND演算は「・(ドット)」で表します。
AND演算は「〜かつ〜」の意味を持ち、2つの論理変数の値がどちらも“1(真)”のとき、結果が“1(真)”で、それ以外は“0(偽)”になります。
図2の論理式のように、OR演算は「+(プラス)」で表します。
OR演算は「〜または〜」の意味を持ち、2つの論理変数のどちらかが“1(真)”、もしくはどちらも“1(真)”のとき、結果が“1(真)”で、それ以外は“0(偽)”になります。
図3の論理式のように、NOT演算は論理変数の上にバーを付けて表します。
NOT演算は「〜でない」の意味を持ち、ある論理変数の値が“0(偽)”のとき、結果が“1(真)”に、“1(真)”のとき、結果が“0(偽)”になります。
以上、3つの基本論理演算(AND、OR、NOT)について解説しましたが、実はこれらを組み合わせることで、どのような論理演算も実現できるのです。
それでは以上の解説を参考にして、【問題6】を解いてみましょう。
【問題6】は、論理式からゲート回路を描く問題です。
1問目の「X=A+B・C」ですが、“論理式はOR演算より、AND演算の方を優先する”ことから、図4のように、先にBとCとのAND(論理積)を先に取り、そしてその結果とAとのOR(論理和)を取ります。
次に、2問目の「X=A+B」ですが、これはAのNOT(否定)とBのNOT(否定)のOR(論理和)です。よってゲート回路は図5のようになります。
最後に3問目、「X=A+B・C」では先にAとBのOR(論理和)のNOT(否定)を取り、そしてその結果とCとのAND(論理積)を取ります。ゲート回路は図6のようになります。
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