真理値表から論理式を求める際に“カルノー図”を用いて視覚的に論理式を簡単化して、「3ビット同期ダウンカウンタ回路」を作成する。
前回の宿題【問題18】は、「3ビット同期ダウンカウンタを作成する」という問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
【問題17】の解説では、D-FFと組み合わせ回路によって“カウンタ”が構成できることを説明しました。今回は、これに倣って「同期式3ビットダウンカウンタ」を作っていきます。
ダウンカウンタの場合、クロックの投入によりD-FFに保持される値(D2、D1、D0)は、現在の値(Q2、Q1、Q0)から「1」を引いた値となるため、真理値表は表1のようになります。
そして、ここから論理式を求めて回路を作るわけですが、今回は“カルノー図”を用いて視覚的に論理式を簡単化することにします。
図1のように、カルノー図は表形式になっています。A、B、C、Dが入力記号で、結果を表の中に記入します。3入力や4入力の場合、入力の値が“00”“01”“11”“10”の順に並んでいますが、入力値が隣と1つだけ異なることがカルノー図の特徴です。
それでは、D0、D1、D2のカルノー図を作ってみましょう。表1の真理値表を基に、結果の“1”を書き込みます(図2)。
続いて簡単化です。ここで、結果が“1”である隣接するマスを、1、2、4、8、……と2の乗数個でまとめます。ここでのポイントは“できるだけ大きくまとめる”ことです。4個でまとめる場合は、1×4、2×2のようにします。
この作業の結果、図3の赤線のような「まとまり」ができるはずです。
最後に論理式を求めます。カルノー図のまとまりに注目して定置となる入力を抽出し、そこから積項を求めて、すべての積項を論理和します。
D0の場合、図2(a)のまとまりにおいて、Q0は“0”で変わりません。論理式は、
D0 = Q0
と求められます。
D1(図2(b))の場合、まとまりが2つあります。1つのまとまりはQ1Q0が“00”、もう1つのまとまりはQ1Q0が“11”で変わりません。論理式は、
D1 = Q1 ・ Q0 + Q1 ・ Q0
と求められます。
同様にD2(図2(c))の場合、3つのまとまりから論理式は、
D2 = Q2 ・ Q1 ・ Q0 + Q2 ・ Q1 + Q2 ・ Q0
と求められます。
以上から、3ビットダウンカウンタの回路は図4のようになります。
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