論理演算を行う回路素子“ゲート”について解説。デジタル回路の働きを調べるには「信号の流れを入力から順番に見ていくこと」です。
前回の宿題【問題5】は、3つの基本論理演算である「AND」「OR」「NOT」を組み合わせて作った回路の論理機能を調べる問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
最初に論理演算を行う回路素子、「ゲート(gate)」について説明します。
AND演算を行う回路素子を「ANDゲート」といいます。ANDゲートは「複数の入力がすべて“1”であるとき“1”を、それ以外は“0”を出力」します。
ANDゲートは、図1のように四角形と半円を組み合わせたような記号で表します。
OR演算を行う回路素子を「ORゲート」といいます。ORゲートは「複数の入力に1つでも“1”があったならば“1”を、それ以外は“0”を出力」します。
ORゲートは、図2のように三日月のような(出力部分はとがらせる)記号で表します。
NOT演算を行う回路素子を「NOTゲート」といいます。NOTゲートは「入力が“0”のとき“1”を、入力が“1”のとき“0”を出力」します。また、NOTゲートは「インバータ(inverter)」とも呼ばれます。
NOTゲートは、図3のように三角形と小さい円からなる記号で表します。
以上がゲートの解説となります。
解説した3つのゲートの働きが分かったところで、【問題5】を解いてみましょう。
デジタル回路の働きを調べるには、「信号の流れを入力から順番に見ていく」ことがポイントとなります。
そこで、図4のようにゲート1(ANDゲート)の出力をD、ゲート2(NOTゲート)の出力をEとして順番に調べていきます(ゲート1とゲート2はどちらを先に調べてもよい)。
信号Dは、入力Aと入力Bがともに“1”のとき“1”を、ほかの場合は“0”を出力します。
信号Eは、入力Cが“0”のとき“1”を、“1”のとき“0”を出力します。
最後に出力Xは、信号Dと信号Eのどちらか1つでも“1”であれば“1”となり、図4の回路の真理値表は以下のようになります(表1)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.