今回は、動作を制御するためのクロック信号入力がある“エッジ・トリガ型”のフリップフロップ「JK-FF」について詳しく解説します。
前回の宿題【問題14】は、JK-FFの「タイムチャート」を作成するという問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
JK-FFは、【問題13】の解説で紹介した「SR-FF」に改良を加えたものです。
まずは、図1をご覧ください。これはJK-FFの論理記号です。
JK-FFの入力「J」はSR-FFのS(Set)に相当し、「K」はSR-FFのR(Reset)に相当しています。
前回解説したSR-FFでは、S=“1”、R=“1”にすることを禁止していました。しかし、JK-FFでは、J=“1”、K=“1”にするとQとQとが反転することになっています。
以下に、JK-FFの状態表を示します(表1)。
J=“0”、K=“0”のとき、次に取るべき値(Qt+1)は、いまの値(Qt)になっています。これは前の状態を保持することを意味します。
J=“1”、K=“0”のとき、Qが“1”になるのでJK-FFがセットされ、J=“0”、K=“1”のとき、Qが“0”になるのでJK-FFがリセットされます。
また、J=“1”、K=“1”のとき、前述のとおり、QとQは反転します。
実はフリップフロップには、“レベル・センシティブ”で動作するタイプと、“エッジ・トリガ”で動作するタイプがあります(ここでは触れませんが、そのほかに“マスター・スレーブ”で動作するタイプもあります)。ちなみに、【問題13】の解説で紹介したSR-FFはレベル・センシティブ型のフリップフロップで、入力のレベルに応じてフリップフロップが動作します。
これに対し、エッジ・トリガ型のフリップフロップには動作を制御するクロック信号入力(図2)があり、クロック信号の立ち上がりエッジ(“0”から“1”に変化する時点)、または立ち下りエッジ(“1”から“0”に変化する時点)に、瞬間的にフリップフロップが動作します。今回解説しているJK-FFにはクロック信号入力端子がありますので、エッジ・トリガ型となります。
以上の解説を基に、【問題14】のタイムチャートを作成した結果が図3になります。
ここでは、クロックの立ち上がりでJK-FFが動作するものと考えます。
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