次に123D Designで、STLデータを参照形状として使って形状を作ってみます。図8にあるデータは、「Meshmixer」のライブラリにあった人物の頭部です。123D Design に取り込んだSTLは、拡大、縮小など以外、形状には一切手を加えられません。
このやり方、人を3Dスキャンしたデータがあれば、ヘッドフォンとか何か、その個人にぴったり合うようなものを作りたいときに役に立ちそうです(図9)。
さて、123D Designを使う方からよく聞かれる質問の1つが、「123D Designのデータを違う3次元モデラーに持っていけないのか」ということです。確かに、123D Designで保存ができるのは、ネイティブの「123dx」というファイルとSTLファイル(エクスポート)のみ。つまり、他の3次元モデラーに渡して利用するのが難しいのです。
例えば、最初は3Dプリンタでひっそりと作っていたモノが世の中で予想外に大受けして、金型を起こして量産したいということがあるかもしれません。ところが、そうなるとIGESやSTEPなどのファイルフォーマットで形状データを用意する必要があります。射出成形を考慮した形状に作り変えるにしても、設計が完成しているものなら、手間を掛けて他のCADで作り直したくないですよね。
その「直接ルート」ではないのですが、「迂回ルート」なら存在します。
それには、ファイルを123Dのクラウドサービスに保存し、それをSMBファイルでダウンロードするのです。SMBのファイルを読むことのできるCADは数が少ないのですが、「Fusion360」だと読み見込めます(関連記事:無償3次元CAD「Fusion 360」で2次元スケッチを描こう)。
まず、図10のようなマグカップを123D Designで作ってみます。
そのデータを123Dのクラウドサービスにアップロードします(図11)。
しばらくすると、ダウンロードの準備ができるので、SMBのみをダウンロードします(図12)。
さらに、Fusion360で読み込みます。特に問題はありません(図13)。
特に問題なく読み込めます。メッシュではなくて、B-repのデータなのでこのように普通にフィレットを付けたりなどの操作もここでできます(図14)。
エクスポートはいくつかの形式に対応するので、「STEP」で保存してみましょう(図15)。
STEPなら多くのCADで読めます(図16、17)。
慣れているCADでそのまま操作を続けることが可能です(図18)。
ちょっとまどろっこしいですが、こんな風にして外部とのデータのやりとりも可能です。Fusion360は90日の間ではありますが無料ですし、その後は年間300ドルで使えます。
ということで、今回はこれにて失礼します。ではでは。
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