CeBIT 2012のアウディブースでは、この最新の入力インタフェースを備える車載情報機器を中心にデモンストレーションを行っていた。ロータリープッシュボタンコントローラの使い勝手は快適で、カー(クルマの各種設定)、電話、ナビゲーション、メディア(音楽/映像)、ラジオ、トーン(オーディオ設定)、Audi Connect(インターネットサービス)の7つあるトップメニューから、ボタンの回転で選択、押下で決定という操作により、それぞれのサブメニューに入って目的の機能を利用できる。文字の入力が必要な場面では、アルファベットをコントローラの回転/押下で選択/決定できるのに加えて、プッシュボタン上部のタッチパッドでアルファベットを手書き認識させることもできた。
なお、ブースの展示では分からなかったのだが、3月8日に開催された「automotiveDAY」という「CeBIT 2012」内のイベントにおけるAudiの講演では、コントローラのタッチパッドに漢字を入力して認識させることも可能だと説明していた(関連記事)。
クラウドサービスのAudi Connectは、ニュースや天気予報、地域の見どころ情報や、Facebook、Twitterといったソーシャルネットワーキングサービスをインターネット経由で提供している。これらのサービスは、単純にWebブラウザベースのものにはなっておらず、ロータリープッシュボタンコントローラを使った操作とマルチメディアディスプレイの表示に最適化されており、ユーザーの操作面での煩わしさを極力排除している。なお、地域の見どころ情報(POI:Point Of Interest)はGoogleのサービスを利用している。また、ナビゲーションでは、「Google Earth」を使ったルート案内や、ストリートビューの表示も可能だ。
筆者が、このアウディの最新車載情報機器プラットフォームを利用してみたところ、ロータリープッシュボタンコントローラと、それに最適化された情報表示の組み合わせが極めて使いやすいと感じた。ただし、若干の懸念を感じたのが、右ハンドル車にこのプラットフォームを搭載する場合のことである。このとき、ロータリープッシュボタンコントローラは左手で操作することになるが、利き手でない側の指で漢字などの複雑な文字を認識させるのは難しいかもしれない(インタフェース自身の問題ではないが)。ただし、今回試せなかったものの、音声認識による操作を組み合わせればその問題も解決できそうだ。
アウディでは今後、Audi Connectの無線通信機能にLTEを導入するとしており、より一層多様なサービスが期待できるだろう。
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