アウディは2012年3月上旬開催の「ジュネーブモーターショー」で、「Audi A3」の新モデルを発表したが、同じタイミングで開催された「CeBIT 2012」でもドイツ国内向けに初公開していた。IT関連見本市であるCeBITで新車を披露した目的は、同社の車載情報機器プラットフォームのアピールにあった。
ドイツのハノーバーで2012年3月6〜10日、世界最大規模のIT関連見本市である「CeBIT 2012」が開催された。今回は、70の国と地域から4240社が出展し、110カ国から31万2000人が来場した。
そのCeBITに、ドイツの自動車メーカーAudi(アウディ)が初めてブースを構えた。同じ3月6日から、スイスのジュネーブで「第82回ジュネーブ国際モーターショー」が開かれており、アウディはそこでコンパクトカー「Audi A3」の新モデルを発表した。その新型A3の「1.8T quattro」モデルが、今回のCeBITで初めて設けられた「デジタル・ドライブ」コーナーのアウディブースにもお目見えしたのだ。
メジャーなモーターショーと会期が重なっているにもかかわらず、ITの見本市にわざわざ新型車を持ち込んだのは、A3に搭載されている同社の車載情報機器プラットフォームの最新バージョンをアピールするためである。同プラットフォームは、携帯電話ネットワーク(現時点では3G)を使ってインターネットに接続することが可能で、アウディの顧客向けクラウドサービス「Audi Connect」の最新版を利用できる。
新型A3では、車載情報機器プラットフォームをモジュラー化することで、開発期間を短縮しつつ新しいハードウェアやソフトウェアを導入できる「MIB」を、同社として(Volkswagenグループ全体でも)初めて搭載した※。特徴的なのはその入力インタフェースで、既存の車載情報機器で使用していたロータリープッシュボタンコントローラを改良して、プッシュボタンの上部に手書き文字認識が可能なタッチパッドを組み込んでいる。プロセッサは、タブレットPCなどで広く利用されているNVIDIAの「Tegra T20」(いわゆる「Tegra 2」。動作周波数は1.2GHzと一般仕様の1GHzより高め)を採用。マルチメディアディスプレイは、サイズが7インチの液晶ディスプレイで、画素数はWVGA(800×480画素)となっている。ナビゲーションのガイド表示は、マルチメディアディスプレイの他に、インストルメントパネル内の中央部(速度計とタコメーターの間)に設置された小型のサブディスプレイにも簡潔に表示される。
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