今回の新ブランド「xSync」は同社が従来文教向けに採用してきたブランドだ。同ブランドを同社が展開する全製品に拡大することで、ブランド確立を図るとともにクラウド対応の強化、グローバル展開の強化などに取り組んでいく。新ブランドによる新製品として、従来の「CyberConferenceSystem-Prime(CCS-Prime)」を改め「xSync Prime Collaboration」を展開。同サービスのクラウドサービスも2014年10月から開始する。またオンプレミスでありながら世界中からセキュアに高速で接続できる「グローバル・ネットワーク・サービス」についても2014年12月に開始する計画だという。
パイオニアVCの代表取締役 原清氏は「パイオニアが持つタッチパネルやインタフェースの性能、音声関連技術といった製品力は以前から高い評価を得ていた。しかし、オンプレミスが主力で専用線などで高セキュリティが要求される環境で展開してきたことから、より軽いシステムを求めるユーザーの声が高まってきていた。新たなブランドを立ち上げるとともに、従来の高品質のシステムとともに、クラウド対応、高コストパフォーマンス、システムネットワークの運用性などを満たす新たなサービスを展開していく」と話す。
クラウド対応の強化とグローバル展開の基盤については、IBMのクラウド基盤「SoftLayer」を活用する。SoftLayerはもともと独立クラウドベンダーだったが、2013年7月にIBMが買収し、IBMのクラウドサービスに加わった。現在世界中に15カ所のデータセンターを持ち、2014年末には日本にもデータセンターを開設予定だという。仮想サーバだけでなく顧客ごとに独立した物理サーバを構築できることが特徴で、セキュリティレベルなども高い評価を得ている。
これらを生かすことで、グローバルでの高速なネットワークバックボーンを確保するとともに、物理サーバと仮想サーバのハイブリッド環境の構築なども可能としている。パイオニアVCの小橋氏は「グローバルでの高速ネットワ―クを構築できることで海外拠点との通信の高速化が実現でき、円滑なコラボレーションが行える」と語っている。
今後に向けては「グローバル展開を行う製造業を中心としつつも、さらに対象顧客層を広げていく方針。製造業以外の業種も対象には入ってくる。また現在は日系企業が中心だが、設計や製造のグローバル化やオープン化が進む中、海外企業とのコラボレーションなども必要になってくる。ブイキューブの販路なども生かしつつ、海外企業への導入などにも取り組んでいきたい」と原氏は抱負を語っている。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
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