三菱電機は、表面検査用密着イメージセンサー「KD-CXF」シリーズを発表した。被写界深度が±1.8mmと従来の3.6倍に向上したことで、従来は難しかった、多様な対象物の表面検査に利用できる。
三菱電機は2022年11月30日、密着イメージセンサー(CIS)の新製品「KD-CXF」シリーズ(KD6R1064CXF-NL)を発表した。同年12月に発売する。
KD-CXFシリーズは表面検査工程向けの密着イメージセンサーで、製造ラインにおいて印刷物やフィルムなどのキズ、汚れ、欠損、色味などを検知する。
従来のCISは被写界深度が浅いため、対象物の厚みが異なっていたり、搬送時に大きく振動した場合にピントが合わず、利用が平面検査に限定されていた。
同シリーズでは、正立等倍レンズ(ロッドレンズアレイ)と独自の光学部品を採用したことで、被写界深度が±1.8mmと従来品比で3.6倍向上。これにより、凹凸のある対象物や製造ラインで搬送する際に振動する検査対象物についても、正確で鮮明な画像読み取りができる。
外形寸法は1131.1×59×119.3mm、読み取り幅は1064mm、解像度は600dpiとなっている。撮像素子やレンズなどを一体化し、筐体内に固定しているため、設置時に位置や光学を細かく調整する必要がない。既存製造ラインのレイアウトを維持したまま、限られたスペースで検査システムを構築可能なことから、省人化、自動化設備の導入、維持コストを低減する。
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