東芝は、目視や通常の画像検査では検知が難しい微小な傷や異物を瞬時に可視化する、ワンショット光学検査技術を発表した。テレセントリックレンズとカラーフィルターを組み合わせることで、傷や異物の場所を色分けによって容易に検出できる。
東芝は2019年11月5日、目視や通常の画像検査では検知が難しい微小な傷や異物を瞬時に可視化する、ワンショット光学検査技術を発表した。
部品などの表面検査では、光の反射方向をもとに傷を検出する光学検査技術が用いられている。しかし、従来のカメラによる撮像では、レンズを通った光が点で収束するため散乱光の情報が失われ、傷や異物の有無を判断することは困難だった。
同社は、散乱光の角度情報を失わないテレセントリックレンズと、散乱角度を色分けできるカラーフィルターを組み合わせる光学検査技術を開発した。同技術を検査装置に適用すると、周囲とは別の色で傷や異物の場所を表示するため、容易に検出できる。
また、同技術は、動く対象物の検査にも適用可能だ。製造ラインや装置を動かしたまま欠陥検査や摩耗状況の検査ができるので、稼働率の向上につながる。レンズやカラーフィルターを変更すれば、さまざまな種類や大きさの対象物に対応でき、既存設備を大幅に改造する必要もない。
同社では今後、同技術の検出感度を高めて、2020年度以降の実用化を目指す。
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