東芝は、二次電池SCiBの産業用リチウムイオン電池「SIP」シリーズを発表した。小型ながら長寿命で、約10年使用しても80%以上の放電容量を維持できる。充電も約20分と短時間のため、充放電回数の多い無人搬送車などの用途に適している。
東芝は2017年3月8日、二次電池SCiBの産業用リチウムイオン電池「SIP」シリーズを発表した。DC24V仕様の「SIP24-23」とDC48V仕様「SIP48-23」の2タイプがある。いずれもオープン価格で、同年4月上旬から発売する。
産業用リチウムイオン電池SIPシリーズは、無人搬送車などに使用する産業用鉛蓄電池の代替品として使える。鉛蓄電池の充電時間は約8〜10時間だが、同シリーズは約20分と、短時間で充電が可能だ。
また、約2〜3年で新品への交換が必要な鉛蓄電池に対し、SIPシリーズは約10年使用しても80%以上の放電容量を維持できるため、電池交換や廃棄コストの低減に貢献する。単体の本体サイズは247×188×165mmと小型で、質量は同等容量の鉛蓄電池の約4分の1に軽量化している。これらの特徴から無人搬送車など充放電回数の多い用途に適している。−30度でも充放電が可能で、寒冷地や冷凍倉庫などで使用する機器にも向く。
鉛電池で必要な均等充電や補水が不要で、エラー状態や4段階での電池残量が確認できるなどメンテナンスがしやすい。また、安全性に優れたSCiBセルに加え、バッテリーマネジメントユニット(BMU)がセル電圧、充放電電流、モジュール内温度、充電率(SOC)などを監視し、それぞれの異常から保護する。
同シリーズは、無人搬送車以外にも、電動カートや建機、各種作業車、計測および制御機器、通信システム機器、小型風力発電などでの用途を想定している。
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