リコーインダストリーは「SFE2017」において、ビニールテープを貼るだけでライントレース可能な光学式無人搬送車を出展。ライン敷設費用を抑えて低コストで無人搬送車の導入が可能となる。
リコーインダストリーは「第1回スマート工場EXPO(SFE2017)」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、ビニールテープを貼るだけでライントレース可能な光学式無人搬送車(AGV)を出展。ライン敷設費用を抑えて低コストでAGVの導入が可能となる。
工場内で部品や製品などを運ぶためにAGVを活用したいという要望は強いが、導入費用や走行ラインの敷設費用や負担が大きく、障壁となっていたケースが多い。AGVの走行ラインには磁気テープを敷設するケースが多いが、磁気テープは1mで1000円程度の費用が掛かり、ラインの変更などを頻繁に行う場合には負担となるケースが多かった。
リコーが今回出展したAGVは、カメラと画像処理を組み合わせ、このラインの敷設を一般のビニールテープでも可能としたもの。さらに画像処理や命令の処理などもタブレット端末など一般民生製品の組み合わせで実現し、全体的にコストを低廉化していることが特徴である。価格は1台当たりで150万円程度で、ビニールテープは10mで100円程度なので、ラインの敷設費用は100分の1以下となる。
会場のデモでは、ビニールテープをニ重化しているところをステーションとして、命令を実行したり分岐を判断したりするなどの処理を行うことをプログラム化し、自動走行を実現している。また、RFIDの読み取り端末を組み合わせることで、部品などの運搬数などを確認しながら、走行させることも可能だ。
リコーインダストリー 事業統括本部 事業戦略センター 戦略統括室 新商品販売企画グループ シニアスペシャリストの菊池修氏は「既に製品化しており実導入事例もある。受注生産なので納品期間は3カ月程度かかるが、コストを抑えて導入したいという場合にはメリットを発揮できる」と述べている。
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