日立物流は「ロジスティクスソリューションフェア2015」で、保管棚を棚ごと自動・効率搬送する小型・低床式無人搬送車「Racrew」の実用事例を紹介した。
日立物流は「ロジスティクスソリューションフェア2015」(2015年9月8〜9日、東京ビッグサイト)において、日立製作所が開発した保管棚を棚ごと自動・効率搬送する小型・低床式無人搬送車「Racrew」の実用事例を紹介した。
Racrewは、小型かつ低床のため、棚の下に潜り込んで棚を持ち上げ、指定位置まで自動搬送できる自動搬送車だ。作業者が移動することなく部品・商品をピッキングできるため、作業者が棚に取りに行くよりも作業効率が良く、省人化もできる。さらに、専用搬送機を使って棚から部品・商品の出し入れを全自動で行う自動倉庫システムに比べ、抑制できるという利点もある※1)。
関連記事:棚を運ぶ新発想――日立製作所、棚ごと自動搬送する低床式無人搬送車を発売
日立物流では、このRacrewを用いたピッキングシステムを開発。アパレル関連企業の仕分け作業で実証導入を進めているという。導入したピッキングシステムは、30×30mの運用エリアに84台の保管棚が置いてある仕分け用の倉庫で、ここに作業員が対象商品をピッキングするピッキングステーションを10カ所設置した。
ここにRacrew20台が用意され、小売店からの発注が入るとその発注のデータに応じて必要な棚を、作業者の場所まで運ぶ。作業者はピッキングステーションでゲートの点灯表示に従って、対象商品をピッキングし、仕分け棚に置くという流れだ。
Racrewは画像認識技術などを用いて空間情報を把握する方法なども現在研究されている※2)が、今回採用されているのは床面マーカータイプ。それでも「大幅に作業が効率化でき、導入先では作業員を再配置することなどでコスト削減なども実現できている」(ブース担当者)という。
※2)関連記事:“棚ごと運べる”無人搬送車、床面マーカー不要で自律走行を可能に
今後に向けては「Racrewそのものもさまざまなカスタマイズが可能である他、ピッキングシステムそのものもさまざまな用途で利用が可能であるため、幅広い業種や企業に提案を進めていく」(同)としていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.