システムICやASICではIP(Intellectual Property)と呼ばれる回路ブロックが流通しています。これは、基板でいうとIC部品のようなもので、IC回路ブロックを組み合わせてシステムを作るように、IPを組み合わせてシステムICを作ります(図10)。
例えば、IPにはPCI Express I/F回路ブロックや、DDR3メモリI/F回路、CPU回路、メモリ回路など多くの回路が流通しています。
IPの代表的なものとしては、ARMのコンピュータ回路があります。ARMは基本アーキテクチャをIPとしています。ユーザーはこのアーキテクチャを使い、自分で、IC回路に落としたり、他の会社がIC回路にしたIPを購入して、ASICに組み込んだりします。
例えばAppleのiPhoneやiPadに使われているA8やA7と呼ばれるCPUチップはARMのプロセッサIPを使い、Appleが独自に開発したものです。その他、サムスン電子製の物をはじめとして、多くのスマートフォンやタブレットのCUPチップにはARMのIPが使われています。
現在、いくつかの28Gbpsシリアル伝送のIPが流通しています。
また、AlteraやXilinxといったセミカスタムASICでも28Gbpsのシリアル転送インタフェースが提供されています(図11)。
このため、最先端の基板配線やバックプレーン配線は28Gbps(14GHz)の信号が多く使われています。
次世代はこの倍、56Gbps世代がいろいろな規格として考えられていますが、急に倍の速度は困難なので、現在は、32Gbpsが徐々に出はじめています。
前田 真一(マエダ シンイチ)
KEI Systems、日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手掛ける。
近著:「現場の即戦力シリーズ 見てわかる高速回路のノイズ解析」(技術評論社)
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